2013年5月11日土曜日

世界の原発需要

 

 先進国での原発建設は、ほとんどストップした感があるのに、開発途上国では、盛んに建設が考えられているようです。サウジは32年までに合計16基の原発を新設します。産出された原油は輸出に振り向け、国内では原発で安定した電力を確保して人口増に備えるといった按配です。原発の導入には1基で約5000億円、16基で8兆円程度がかかりますが、石油大国のサウジにとっては、何ともない金額なのでしょう。

原発を輸出するには、まず相手国と原子力協定を結ぶ必要があります。
   いま、新興国や途上国では原発の新・増設ラッシュが起きています。

経済産業省によると、11年時点では約430基だった世界の原発の数は、30年までに最大で800基に増えるそうです。

中国は20年までに56基を、インドは18基をそれぞれ建設する計画です。

国際エネルギー機関(IEA)も、原発の利用拡大を予測しています。石油など使った火力の発電量は35年には世界で10年に比べて45%増えますが、原発の発電量はこれを上回る58%増となる見込みです。日米欧の先進国では発電の伸びは8%ですが、新興国や途上国では一気に4倍に拡大するとみられます。

原発事業の主力は、東芝=ウエスチングハウス、三菱重工=アレバ・エレクトリック(GE)、日立製作所=ゼネラルエレクトリック(GE)の3つの大企業連合です。日本は、いずれの企業連合でもキーになっています。これに官民一体で動くロシアや中国、韓国の新興勢力が挑む構図が出来上がっています。

原発受注は、その前提となる原子力協定などで国の関与が欠かせません。それがために、首脳のトップセールスが受注のカギを握るケースが少なくありません。
 

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