2012年10月10日水曜日

原田泰氏の震災復興欺瞞の構図(24)

昨日からの続きです。
安上がりな復興計画
「国土交通省は、浸水地域をABCD区域に分けている。A区域とは建造物の多くが「全壊(流失)」、「全壊」、「全壊(1階天井以上浸水)」の区域、B区域とは建造物の多くが「大規模半壊」、半壊(床上浸水)」の区域、C区域とは建造物の多くが「一部損害(床下浸水)」の区域、D区域とは浸水区域内であるが、建造物の多くが宅地条件(地盤が高い)等により「被災なし」の区域である。

A区域は、今後、今回のような津波が襲ったときには命を失う危険性が高い。B区域は、住宅の形は残った区域である。住宅の形が残ったとは、2階にいれば、命は助かった区域である。すなわち、A 区域は居住を禁止すべき地域であるが、B区域は財産の損失の危険は大きいが、命を失う危険は小さい区域であって、居住を禁止すべきであるかに疑問をもつ地域である。CD区域は居住可能、または居住してもかまわない地域である。

津波の危険によって、A区域は住宅を建てることができない地域であるが、BCD区域は建てることが可能な区域である。特に、1階をコンクリート造りにすれば、ほぼ完全に安全となる。

これらの市や町の可住地面積に対するA区域の面積の比を見ると、概ねに10%以下であり、平均でも4.6%(仙台を除く5.1%)である。すなわち、10%の土地を放棄して、残りの90%の土地に移住する必要がある。人口が増加した地域であれば大変なことであるが、この地域の人口は減少している。

港や農地などでは津波に襲われる危険がある。そこで働く人は、地震があったら逃げるしかない。働いている人は、基本的に自分で逃げる能力のある人である。その対策は、津波避難タワーと震災で生じたガレキを利用したエスケープ・ビル(避難のための高台)の造成である」

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