2010年7月1日木曜日

「はやぶさ」の帰還と「あかつき」の金星への旅

静かに日本人を興奮させた「はやぶさ」が6月13日に大気圏に突入し、燃え尽きましたが、「イトカワ」で採集した史料の入ったカプセルは、無事オーストラリア南部のウーメラ近くの砂漠に落下しました。

「はやぶさ」は平成15年5月に打ち上げられ、地球から3億キロ離れた幅500mほどの小惑星「イトカワ」に向けて出発しました。そして、予定よりも3年遅れて、約60億キロの旅を終えて無事帰還しました。この間、さまざまな事故が起こりました。05年7~10月は姿勢制御装置にトラブルがおこり、それでも11月に「イトカワ」に着陸しました。その後、12月には事故によって7週間交信が途絶えました。その後、通信が奇跡的に戻り、07年4月に「イトカワ」の軌道を離れて地球に向けて出発しました。しかし、09年11月には、イオンエンジンの3基目も停止、帰還が危ぶまれましたが、壊れた2台のエンジンを組み合わせて、地球に帰る推進力を得ました。そして、奇跡的に帰還しました。

 世界中から、日本の技術力が称賛されました。少し、自信をなくしつつある日本にとっては、吉報でした。是非、自信を取り戻したいと思います。

 カプセルの中身の解析には、随分時間がかかるようですが、銀河系の創造のことが分かれば嬉しいものです。

 この「はやぶさ」に因んでか、東北新幹線の最新車両は、「はやぶさ」と命名されました。
 この「はやぶさ」の帰還の約1カ月前の5月22日に金星探査機「あかつき」が、H2Aロケットで宇宙空間に新たに旅立ちました。12月には、金星の上空に到着し、2年間にわたって観測するそうです。

 そして、この打ち上げには、太陽光の圧力を受けて進む宇宙ヨット「イカロス」が航行します。一辺が14mの正方形で、凧のような形をしており、薄い高分子の膜でできています。成功すれば、エンジンも燃料も不要で宇宙帆船が実現します。「宇宙大航海時代」が現出します。SFの世界が、現実になるのもそう遠くないようです。 「イカロス」とは、ギリシャ神話上の名工ダイダロスの子で、父の発明した翼で空中を飛んだが、高く飛び過ぎ、太陽の熱で翼の蠟が溶け海に落ちて死んだと言います。成功を祈りたいものです。

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