木村剛氏(48)が、小泉首相時代に竹中平蔵経済財政・金融担当相時代の‘02年、金融庁顧問として「金融再生プログラム」の策定に関わっていた時には、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを感じたものです。そして、この振興銀行立ち上げのときも異例の速さで設立が認められました。相当の便宜を図ってもらっていると話題にもなりましたが、そういうことには、歯牙にもかけず、社長になり、会長になり、振興銀行を大きくすることに邁進しました。
「この新銀行が導火線になって、日本全体が活力をとりもどす。それこそが我々が究極の目的とする『金融維新』なのだ」とまで、言い、「12年には、1兆円の金融グループになる」とも宣言していました。その後、「中小企業ネットワーク」を作り、木村容疑者の親戚か知人にも、通常の審査では、到底通らない融資もしていたように記憶しています。
急激に融資実績を増やそうとして、商工ローン大手のSFCG(旧商工ファンド)=破産手続き中=のローンも大幅に減額して引き受けたようです。
しかし、業績が悪くなり、赤字になり、その責任をとるという形で退職しました。しかし、退職前の会長のときに金融庁から立ち入りがあるというので、不具合なメールを削除するように指示しました。それが、金融庁の立ち入り調査を妨害したということで今回の逮捕にいたったものです。
著書もかなり多いようですが、そのなかに「おカネというのは『奇跡』であり、『革命』であり、『幻』でもある」と訳の分からないことを書いています。また、「新しい金融検査の影響と対策」という本には、「検察官にウソをつくと検査忌避にあたる」と言い、「いくら注意してもしすぎることはない」と、自ら書いているのですが、自分のことになると、すっかり忘れてしまうようです。
今の技術でいくと、消されたメールもすべて再生できるはずですから、どういうことを消したのか、明るみに出る日は、そう遠くありません。ホリエモンの時にも思ったのですが、人間、有頂天になると、よくありません。神さまは、こういうのは、嫌いなのでしょう。やはり、中庸で謙虚が一番です。 それにしても、新しい社長に作家の江口剛(本名・小畠晴喜)氏がなるとは。金融小説とは、相当に違います。小説は、登場人物は、すべて江口氏の手で自由に出来ますが、振興銀行はどうでしょう。どういう経緯でなったか知りませんが、かなりの冒険のように思います。
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