半導体国内2位のルネサステクノロジーと同3位のNECエレクトロニクスが来春をメドに経営統合する方針で協議していることが、4月16日明らかになりました。実現すれば、1兆2000億円規模となり、国内で首位の東芝を抜き、世界3位のシェアを持つ半導体メーカーが誕生します。世界の半導体のシェアは、1位がアメリカのインテルで13.3%、2位が韓国のサムソンで6.8%。今回、統合が進めば、シェアは5.1%で3位となります。4位が東芝で4.2%です。
当初は、NECは富士通と交渉を進めていましたが、これが破談になり、NEC―東芝もNECが態度をはっきりせずに進展せず、今回の統合になったようです。しかし、NECにとっては、ルネサスはLSIの開発手法も異なり、技術上からは、組たくない相手でした。しかし、結果として、統合が決まったようです。この統合によって、マイコンについては、世界の30%のシェアを握ることになり、アメリカのフリー・スケールの11%を大きく引き離すことになります。顧客との価格交渉については、有利になるだろうと言われています。
わたしは、この統合には、危惧を持ちます。もともとルネサスも日立と三菱が合併してできたものでした。結果として、この合併はうまくいったのでしょうか。そして、今度は、NECを巻き込んでの統合劇です。どこが、中心になって、新会社を引っ張ってゆくのでしょう。どこも紳士過ぎて、不安を感じます。以前、DDI、KDDなど新電電3社の統合の折は、「対等合併などありえない」として、DDI(京セラ)の稲盛和夫は、高らかに宣言し、統治してゆきました。結果的には、これがよかったのでしょう。NTTとある程度対抗できるところまで延びて来ました。また、三洋電機と東京三洋の合併の折は、両者合わせると、松下には、届きませんが、結構大きな企業になると思われていました。しかし、結局、1+1=2には、なりませんでした。合併会社のリーダーとなる人は、非常に難しいと思います。今回の統合も成功して、1+1=3ぐらいになることを日本人としては、のぞみます。
それにしましても、日経ビジネスの4月27日号を見ていますと、NECエレ、東芝、富士通マイクロ、ルネサスの4社で日本の中に半導体工場が46工場あります。これは、誰が考えても多過ぎるでしょう。トータルすると、そこそこの売り上げになっていますが、中小企業の集まりのようです。これでは、資金を集中投下している韓国や台湾に負けるでしょう。さらに「ハーフエコノミー」と呼ばれ、世界経済が収縮しています。日本政策投資銀行はエルピーダメモリーへの融資を行うようですが、もう個々の企業を救っていたのでは、日本の半導体は残れないのではないでしょうか。日経ビジネスには、「さらばニッポン半導体」と書かれていましたが、この言葉の響きは、わたしは非常に嫌いです。日本に、もう一度、太陽を昇らせたいものです。
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