5月16日の産経新聞によりますと、景気低迷という逆風下で、多くの会社が軒並み強いられる中、関西企業ならではの強みを発揮しているとあります。他社に先駆けて積極投資に転じたり、業績回復の手応えを掴んでいるようです。特色ある関西企業のキーワードは、「脱自動車」、「太陽電池」、「キャッシュリッチ」です。
18年の全国の製造出荷品の出荷額の19%を輸送用の機械器具製造業が占めていますが、大阪府の場合は、4.8%にとどまっており、トヨタなどの自動車の影響をあまり受けませんでした。22年3月期の業績は、脱自動車の構図がさらに鮮明になりそうです。トヨタが8500億円の営業赤字を見込んでおり、業績回復の見通しが立たないのに、パナソニック、シャープ、三洋電機の家電各社は、そろって営業黒字を予想しています。
また、太陽電池メーカーが関西に多いことも収益を押し上げる要因になっています。シャープは、今期、太陽電池の販売量を前期比83%増の770MWに増やす予定です。
次に、関西にはキャッシュリッチの企業が多く、東京に本社をおく企業が公的資金の導入を検討していますが、関西企業は自己資金でこの不況を乗り越えようとしています。豊富な手持ち資金があれば、一時的に業績が悪化しても減損処理を早期に済ますことが出来るために業績回復のタイミングが早くなります。以下、ネット資金の保有額を記します。
主なキャッシュリッチ企業
ネット資金(億円)
企業名 21年3月期 20年3期
*パナソニック 4300 10,700
*任天堂 8941 11035
*武田薬品 7588 16850
キャノン 6791 9444
ファナック 5556 5659
アマテラス製薬 5138 5420
第一三共 3642 6620
*ローム 2912 3613
*京セラ 2692 4475
信越化学 2510 3016
岩井証券データ。「ネット資金=期末現金および現金同等物―有利子負債」が原則だが、すぐ換金できる有価証券を加えているケースもある。*は、関西企業。
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