4月28日の朝日新聞の社説によりますと、社説というのが問題ですが、補正後の予算が、史上初めて、100兆円を突破して、102兆円になると書いてありました。新聞やテレビを賑わしているのは、補正予算が15兆円を超えるという話ばかりです。総額の問題点については、問いません。
財政出動は、景気の落ち込みを緩和するのが目的ですが、20~40兆円とも言われる需要不足を政府が埋め合わせることは、とてもできません。また、悪いことにその財源が借金です。国のやり方は、貯金というものをしません。宵越しの金は、持たないという江戸時代の長屋の職人と同じです。足りないと借りる以外にありません。今年度発行の新規国債が44兆円で過去最悪です。これは、税収に匹敵します。一般家庭や企業で収入と同じ借金をしてやっていけますでしょうか。やれるはずがありません。それをこの自民党、公明党政権はやろうとしているのです。小泉政権では、国債は、「30兆円枠」に収めるという目標がありましたが、それどころの話ではありません。政府の借金は、国民が負担していかないといけません。そのために財政規律というものがあります。政府と自治体の借金は、800兆円を超しました。年寄りも赤ちゃんもすべて入れて、国民一人当たり約660万円になります。4人家族ですと2600万円の借金です。自分が借りている借金のほかにこれだけの借金があるということです。完全に危険水域に入っていますし、地方自治体であれば、完全に再建団体入りです。夕張市よりも酷い状態です。それでも、公務員は多額の退職金をもらい、高額給与の天下り機関に大手を振って、天下っていきます。おかしくありませんか。金利が1%上がると、8兆円負担が増えます。日本の債務残高は、GNP比170%です。主要国の米独仏英は60~80%です。もともと出発点が違うのに、首脳会議でいいカッコウを見せようと主要国並みの大判振る舞いです。
ご存じのように、政府は借金の利払いを除く基礎的財政収支を2011年に黒字化する財政再建目標を立てていました。この政権ならびに官僚は、これを不可能として反故にし、新目標を検討しています。EUには、毎年度のGNP比いくらという数値目標があります。日本には、これがまったくありません。使い放題です。こういう無責任な政府、政党、官僚の中に過去の歴史を飾ったような傑物は出て来ないのでしょうか。与謝野大臣などは、「賢い使い方」といっていますが、「借り方、借金の返し方」への賢い頭の使い方が必要でしょう。
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