2009年5月5日火曜日

滝のベスト10

  週刊文春4月30日号に日本の滝のベスト10が挙げられていました。意外や、1位は富山県の称名滝でした。350mという日本一の落差を誇る四段構成の滝です。雪解け水が流れ込む春などには、称名滝の右側にハンノキ滝があらわれます。このハンノキ滝の落差は、497m(一般には500mとされる)で、落差が350mの称名滝よりも落差が大きいのです。このため、事実上は日本一の落差の滝なのですが、いつも存在している滝ではありませんので、日本一の落差の滝として認められないようです。
 2位は、秋田県の安の滝で、高さ90mの2段構造です。東北屈指の名瀑です。昔、身投げをした美しい娘が、中秋の名月の夜、髪を梳くという伝説が残り、訪れたカップルは恋が叶うといわれています。わたしには、どう見ても2位に入る滝とは思えません。
 3位は、和歌山県の那智の滝です。落差133mの日本一の直瀑です。滝の落ち口の岩盤に3つの切れ目があって、3本になって滝が落ちることから「三筋の滝」ともいわれます。滝の落ち口の幅は13m。滝の落ち口には注連縄が張られていますが、この注連縄は毎年2回、7月9日と12月27日に神職の手によって張り替えられています。
 滝の右手には「那智原始林」と呼ばれる原生林が広がっており、国の天然記念物に指定されています。32haというわずかな面積ですが、那智原始林は和歌山県下唯一の原生林で、非常に貴重な照葉樹林の森です。滝壺の深さは10m。南方熊楠によると大滑落岩塊のため三分の一強が埋もれてしまったそうです。熊野那智大社はこの那智大滝を神とする自然崇拝からおこった社です。
 4位は、北海道の羽衣の滝で、東川町天人峡温泉にあります。天人峡は大雪山の主峰旭岳の南西側に位置しており、温泉街から徒歩で約15分進むと、落差約270メートルの「羽衣の滝」があります
 5位は、兵庫県の天滝で落差98メートルです。6位は青森県の松見の滝、7位は栃木県の華厳の滝、8位は滑川大滝、9位は宮崎県高千穂峡の真名井の滝、10位は岐阜県の根尾の滝となっておりました。日本三名瀑のうちの那智、華厳は入っていますが、袋田の滝が入っていません。袋田の滝は、まだ見ておりませんので、ここに上がったベスト10との比較は、できませんが、この選択には、個人の強い趣向が入っているように感じます。
 1位の称名滝はたしかに落差は、日本一かも分かりませんが、水量、滝の幅、滝の品格などから見た総合点では、那智の滝がNo.1のように思います。2位の安の滝も品からいくともう少し下がるように思います。