日本財団会長の笹川陽平氏が、たばこ1箱1000円に値上げした場合、税の増収は最大9兆5000億円に上るという“たばこの大増税”をぶち上げました。根拠は、07年のたばこの国内消費量が、約2700億本です。これを単純計算して9兆5000億円の税の増収になるというものです。1箱1000円へ値上げすると、1箱当たりの税額は175円から875円と5倍に増加。これに伴い、たばこ関連税も、今の喫煙者数のままなら11兆円と5倍になります。そのあと、いろいろの試算が出ています。6月30日の日経新聞では、1箱1000円になると、禁煙するという人が75%、たばこの本数を減らすという人が15%、500円であれば、禁煙するが42%で、本数を減らすという人が39%でした。しかし、ほんとに値上げになったときには、これだけ禁煙する人はいないでしょう。8年前にニューヨークで1箱8ドルに上げたときには、5人に1人(20%)が禁煙したそうです。
一方で、日本たばこ産業などは、値上げに反対しています。JTの山田良一副社長などは、「増税はたばこ離れを加速し、増収効果は期待できない」と言っています。アメリカでも、値上げで禁煙したのは、20%でした。かれは、さらに「諸外国と比べてもたばこ税の負担率は特段低くない」と言っていますが、世界の先進国の中で日本のタバコは320円と最も安く、ロンドンでは5ポンド(約1045円)、ニューヨークでは8ドル(約850円)です。また、全国たばこ耕作組合中央会の石原健三専務理事は「たばこ農家は多額の投資をしていて簡単に転作できない」と言っています。全日本たばこ産業労働組合の畑木正雄委員長は、「愛煙家のみに過大な負担を強いるのは税の公平・公正の原則に反する」と怒りをぶちまけているそうです。フイリップモリスジャパンなどは、「たばこの価格が上がれば密輸が増える」と断じています。たばこを吸うと頭までおかしくなるのでしょうか。やはり、健康のためにたばこは止めるべきでしょう。愛煙家にとっては、余計なことでしょうが。03年の日本のガン統計によると、20歳から24歳の男性が喫煙を始めて肺ガンを発症して死亡する数は、人口10万人当たり114人で、タバコを吸わない人のそれは24.1人という統計が出ています。たばこを吸う人は、5倍近くなりやすくなります。
16日、EUは加盟27カ国にたばこの大幅値上げを指示しました。たばこによる健康被害を減らすのが狙いです。イギリスでは、1箱約1350円になります。ニューヨークは、たばこ税が一気に83%もアップしました。10ドル時代になりました。
タバコは不思議な商品です。自ら「この商品は健康に害があります」と云って売っている商品なんて他にありません。ほとんど健康には害がない食肉偽造、賞味期限切れ問題にあれほど騒ぐマスコミ、国民がどうしたのでしょう。子供の頃、頭から振りかけられたDDT、こんな優れた物質は無いと世界中でもてはやされたアスベストなども、有害性が立証されたら途端に使用禁止。麻薬は軽いものでも刑務所に繋がれます。なのになぜ、タバコだけが。国の都合でしょうが、大きな税収源である限り、タバコは永遠なのでしょうか。そろそろ見直さないと、いけないのではないでしょうか。
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