2008年7月17日木曜日

宇宙ステーション“きぼう”

 6月15日、星出彰彦さんが、国際宇宙ステーションの日本の実験棟の設置を終えて、無事地球に帰還しました。地上230km上空に建設された巨大有人施設です。今回の星出さんの仕事は、日本の実験棟本体を国際宇宙ステーションに取り付けることでした。ロボットアームを駆使して無事完了しました。このあとは、若田さんらが、再度乗り込むようです。“きぼう”の部屋の大きさは、外径4.4m、内径4.2m、長さが11mでした。マンション風にすると47.04㎡の広さとなります。最大4名が搭乗出来ます。
 この総費用が、約2500億円です。広さで割ると、53.1億円/㎡となります。もちろん、こういう単純な比喩をするつもりはありませんが、果たしてこれが人間にどういう幸せをもたらすのでしょう。言葉悪くいうと、物理学者の道楽に巨大な税金を使っているといえます。実験の内容にしましても、以前から疑問に思っていました。小学生などから募集したテーマなどを取り上げるのもあざとい感じがします。若い人たちに宇宙に興味を持たせようというのは分らないではありませんが、もっと地球上でできる実験がたくさんあるでしょう。こういう化学実験は、最近のテレビでも人気がありますし、理科の実験をやる塾まで出来ていて、人気があるようです。
 ここで、こういうことをいうと人間が小さく見えますが、お金の使い方が雑なように思います。アメリカも1国では負担しきれないためにこういうプロジェクトに15カ国を参加させています。これをどう利用するのでしょう。明確でないように思います。
 話は変わりますが、香港サイエンス&テクノロジーパークというのがあります。香港政庁が建設したものです。総費用1800億円をかけて33万㎡で30棟のビルを作り、世界中から企業やベンチャーを誘致しています。研究開発者が2万人以上になります。日本もこのような施設を作り、インドからソフト会社、中国などからバイオのベンチャーその他を集め、サンノゼに負けない開発センターをつくるべきではないでしょうか。国、県、市町村で1000兆円の借金を抱えている日本は、ジャブジャブの税金の使い方をすべきではないしょう。今回は、宇宙ステーションを取り上げましたが、もっと大きな無駄がたくさんあります。将来を考えると、今の官僚に任せていては、日本は沈没します。
写真:ディスカバリー号の打上げ(提供:NASA)

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