2014年8月18日月曜日

「十八史略(11)―妲己(だっき)⑦」

周公
 さて、兵士が宮殿を探し回ると、妲己がいた。周公は自害してくれていることを望んでいたが生きていた。生きていればなんとか助けられないかと思案した。周公自身が訓練して育てた秘密兵器であった。

妲己は兵士に連れられて、周公の前にひきすえられた。妲己は床のうえに跪き、下から覗き込むようにして

「これでいいのですね?わたし、立派につとめたでしょう?」

周公の顔から血の気が引いた。

女に訓練は施したが、その任務は教えていなかった。しかし、妲己は知っていた。

周公は、思わず叫んでいた。

「斬れ!」

妲己の長い首は、黒い鉞で切り落とされた。

 

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