2014年8月20日水曜日

「十八史略(13)―鮑叔牙と管仲②」

鮑叔牙
 このとき、小白は太子の諸児(しょげい)と姉の文姜が愛し合っているショッキングな現場を見てしまった。
 当時も近親相姦は、タブーであった。日本でも中大兄皇子と妹の間人皇女の近親相姦は好ましく見られなかった。姉の文姜の白い裸体は、少年の小白には強烈な残像を残した。この体験が成人してからの生活に大きく影響したとも思われる。小白は、のちに女好きになった。夫人が3人、夫人のごとき人が6人。

鮑叔牙は、気になり、小白のことばが気になり、

「若殿はなぜこの国の主になりたいのですか」

「そうか、それでは、おまえだけには、言っておこう」

「北から、南から蛮族が中原を狙っている。やつらを追い払うには強い指導力が必要だが、今の周王室には、ない。王の代わりに諸侯に号令をかける者が必要だが、兄の諸児は無理である。ひとを当てにせずにその役をわたしが引き受けよう」

鮑叔牙はほれぼれと小白の顔を見た。

 

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