2013年9月5日木曜日

社会保障のカット&カット

 これは紛れもない詐欺ではないか。こう言いたくなるのが、8月上旬に提出された社会保障国民会議(会長=清家篤・慶応義塾長)の最終報告書です。増税分は当然、社会保障の充実に向けられるものだと思っていたら、何から何までカット、カットの報告書なのです。「少子高齢化のなかで社会保障を維持するためには徹底した重点化・効率化が必要」という考え方です。

出てきたのが7074歳の医療費窓口負担引き上げの早期実施や、紹介状を持たずに大病院を受診する場合の初診、再診料の引き上げ、軽い要支援の介護者(約140万人)は介護保険の対象から外し、ボランティアに任せる。高所得者の介護保険料引き上げや、年金引き下げの仕組み作り、支給開始年齢の引き上げなども検討項目に入っています。医療では大企業の健保組合は負担増になります。

選挙後、たった10日で出てきたというのも胡散臭く感じます。なぜ、選挙の前に出させなかったのか。

「選挙前に提言を出さず、選挙直後に社会保障大幅カットの提言を出してきた国民だまし、当初の目的であった年金一元化や最低保障年金や後期高齢者医療制度の廃止など、制度改革の議論はすっ飛ばして、単なる給付減、自己負担増の提言になっている。消費税増税を来年4月に予定しているのに、社会保障はカットなのか。自民党は財政難と言いながら、一方で、国土強靭化で10年間で200兆円もの公共事業を増やす。そのくせ、増税し、社会保障カットでは国民はたまりません」と民主党の山井和則衆院議員も怒っています。

増税、社会保障の負担増、これに電気代値上げや輸入インフレが重なって、どうやって、個人消費を増やし、景気を回復させるつもりなのか。国民の痛みも分ってほしいものです。

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