2012年4月2日月曜日

日本一の幸福者、本多静六の人生の秘訣(11)

昨日からの続きです。

15.病気にならない「正しい気分の持ち方」

正しい気分の持ち方、考え方の大要を述べてみよう。

第一に、自分の体の悪いところを探すのをやめて、よい部分を探してそれに感謝すること。

第二に、働くことが好きになること、すなわち職業を道楽にすること。そうなれば、勤労に慣れて、緊張することもなくなるはずである。

第三に、何か趣味を持つこと。趣味は、仕事の緊張から心を解放させてくれる。歌を歌うのもよいし、庭に花を育てるのもよい。あるいは旅行や魚釣りなども、緊張した精神を緩和してくれるものである。

第四に、どんな人間でも好きになるように努めること。嫌いな人がいると、肉体的にも悪影響が及ぼされる。

第五に、物が乏しいところには感謝が存在し、心が乏しいこころには幸福が存在すると悟って、あらゆる状況に満足し、感謝すること。

第六に、不幸はそれを忍耐しさえすれば、かえって幸福のもとになると信じて、あらゆる不幸を甘受するように努める。

第七に、ユーモアに富んだことを話し、愉快に過ごすこと。

第八に、物事には果断に決行するように努めること。

基本は、考え方や言動をできるだけ楽しく、快活にすることである。それが気分病を免れる秘訣である。

2012年4月1日日曜日

日本一の幸福者、本多静六の人生の秘訣(10)

昨日からの続きです。

14.本多の健康法

深く眠る方法は簡単だ。思い残しなく疲れるまで働いたうえ、心おきなく眠ることだ。こうすれば、すぐさま深い眠りに陥って、4時間も熟睡すれば自然に目が覚める。そして、覚めたらただちに仕事が開始できるという寸法だ。

病気知らずの私の健康法

強いて、これは健康法であったかなと思われる点を次に挙げてみよう。

1)青少年時代には水行(冷水浴)、中年時代から冷水摩擦を実行している。

2)専心努力して、仕事に夢中になり、腹を減らして何でもうまく食う。

3)疲れたときは、どこでも15分ないし30分、眠る。

 50歳ごろからは、さらに次のことを実行している。

4)腹八分目に食う(ただし、絶対量は人並み以上)

5)食後15分ないし30分間ずつ、安息したり、眠ったりする。

6)夜間8時から10時ごろまで、約2時間歩く。

 60歳ごろからは、さらに次のことを始めた。

7)飲、食、性の三欲を八分目に減らした。

 家庭にあっては、半搗き飯を二杯半、みそ汁と多くの野菜類を食べるようにした。アルコールは小瓶のビールを一本である。

8)食事はゆっくり噛み締めて食べる。

9)ときどき大の字に寝ころんで、思い切り手足を伸ばす。

10)自分が出しゃばらずにすむ社交上の会合や夜の宴会などにはできるだけ出席しないで、平和な  家庭生活を楽しみ、常に草花園芸に親しむ。

11)毎朝、清水を12合ずつ飲んで、通じをよくする。

12)自分の現在の境遇は常に過分であると信じて、何らの不平不満を言わない。

近年、悲しみも骨折もたちまち喜びと幸福とに振り替え、絶えず愉快に働いている。私の健康法は、愉快に働いて、粗食をうまく食うことに尽きる。物質的な贅沢をしないかわりに、精神的な贅沢をしている。朝早く希望に目覚め、深夜、感謝の念を抱きつつ眠る毎日である。