2010年5月2日日曜日

石川議員は本当に重罪なのか(2)

 昨日からの続きです。
 政治資金規正法第4条は政治団体の「収入」を次のように定めています。
 『「収入」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の収受で、第八条の三各号に掲げる方法による運用(銀行預金など)のために供与し、又は交付した金銭等の当該運用に係る当該金銭等に 相当する金銭等の収受以外のものをいう』となっています。
要するに政治団体が手元資金を銀行預金で運用し、それを担保に相当額を借り入れても、その借入金は政治資金規正法上の「収入」には該当しないのです。
 そうであるとすると、政治団体の定期預金を担保にした4億円の借入金は、収支報告書の記載すべき「収入」ではないということになります。しかし、その不記載を容疑として東京地検特捜部は石川議員を逮捕しているのです。書かなくてもいいことになっていることを書かなかったからといって逮捕される。考えられないことです。
 それなら、小沢氏から提供された4億円については、どうなのでしょうか。
 これについて、石川議員が保釈後に記者会見において次のように述べています。
  「記載すべき時期を間違えたが、意図的ではなかった」
 これは、土地取引は2004年10月29日に行われたが、記載はその2ヶ月後の2005年に行われているということをいっているのでしょうか。
 これについて、『週刊朝日』3/5号は、次のように述べています。
 『04年の土地取引を05年に記載したのは確かに記載ミスだが、土地取引を隠そうとしたわけでもないし、陸山会の収支報告書によれば、小沢氏からの借入金残高は03年末は1億1854万9268円、04年末は4億9147万8416円と記載されている。差し引き3億7292万9148円借入金が増加していることがわかるが、その分の借入金収入が「記載漏れ」になっていた。結果的に、04年分の陸山会の収支報告書はその分、帳尻が合っていない。』と書かれています。 
 (明日に続きます)

2010年5月1日土曜日

石川議員は本当に重罪なのか(1)

 最近は、石川議員のことは、まったく話題になりません。果たして彼がやったことは、重罪なのでしょうか。Electronic Journalの記事を参照します。 
 多くのメデイアから小沢氏が責められているのは、本人は不起訴になったものの、小沢事務所の秘書2人と元秘書である石川衆議員が逮捕されているからです。監督責任があるし、同義的にも秘書のせいにするのは許されないというわけです。小沢氏自身の不起訴についても、「嫌疑なし」ではなく「嫌疑不十分」だから、黒に近い灰色であると大マスコミは執拗に喧伝しています。さすがに最近は、民主党の議員はあまり言わなくなりましたが、選挙が近づくとどうなるでしょう。鳩山首相の秘書の有罪が確定しましたが、こちらの方は、あまり大きく取り上げていないように思います。
 しかし、小沢氏の秘書たちは、本当に逮捕されるような重い罪を犯したのでしょうか。政治資金規正法をていねいに読んでみると3人の起訴には大きな疑問が出て来ます。
 『週刊朝日』3/5日号を参照します。『政治団体の会計帳簿は、民間とは異なり、家計簿レベルの単式簿記であり、非公表なのです。それに、収支報告書に公表しなければならない内容は、収支のすべてではなく一部です。
 会計帳簿の方は、借入金の日付、金額、借入先をすべて書かなければならないのですが、収支報告書には借入金の日付を書く必要はないのです。政治活動の自由の確保を根拠とし、政治団体の資金繰りは明らかにしなくてもいいことになっています。
 実際の制度の運用では、年末時点の資産と借入金がわかるようになっていればよいとして、総務省は会計責任者に「余計な金銭の出入りは書かなくてもよい」と指導しているのです。
 ここで石川議員の逮捕容疑を調べてみると、次のようになっているのです。
 小沢氏から提供された4億円と陸山会の定期預金を担保に銀行から借りた4億円の合計8億円を収支報告書の収入に記載しなかった。』            
 しかし、これはおかしいのです。(明日へ続く)