2009年9月2日水曜日

衆議院議員の議員立法件数

 今回の衆院選挙は、歴史的な民主党の勝利で終わりました。この日のことは、長く忘れないでしょう。日本再生の一歩になってほしいものです。
 ところで、議会というのは、言うまでもなく立法府です。すなわち、法律を作るところのはずですが、調べますと、なんと自民党議員の議員立法の提案件数が非常に少ないことが分かりました。これに比べて、民主党議員は、真面目に出しています。また質問主意書の提出も民主党議員は、多く出しています。これは、研究所にいながら、まったく研究論文を出さないのに研究者面をしているようなものです。結局、自民党は、法案は、すべて役人に作らせていたわけです。何をしていたのでしょう。これに比べて、民主党の議員は、役人の協力を得られないために自分でせっせと法案を作り、国会に提出していました。ほとんどが、ボツになりましたが、今回、与党になったことで、役人にも頼らずに法案を作れるという強みがあります。多くの評論家が、この点を見ていず、民主党は役人の協力を得ずに大丈夫かと言っていますが、まず大丈夫でしょう。
 2005年9月11日から2009年9月までの約4年間の立法の提出件数と質問主意書提出件数、委員会での発言回数を列挙します。立法の提案件数の10位までを挙げました。

順位

氏名

立法の提出件数

質問主意書提出件数

委員会での発言数

山井和則

30

147

65

園田康博

20

2

65

長妻 昭

18

69

68

大口善徳 (公明)

17

0

50

細川律夫

17

2

48

武正公一

15

6

89

山田正彦

15

2

24

福島 豊(公明)

14

2

54

枝野幸男

13

2

54

10

郡 和子

13

10

36

 自民党では、後藤茂之氏が16位で11件が最高です。一年生議員の片山さつき、猪口邦子もゼロです。大物では、伊吹文明、山崎拓などもゼロです。民主党の前原誠司もゼロなのは、気掛かりです。国会議員の本業は、国民のためになる法律の立案と立法です。各国会議員は、初心に戻って業務に精励してほしいものです。

2009年9月1日火曜日

衆院選挙

 念願であった政権交代が実現しました。この選挙結果を見ますと、これまでいかに自民党の各議員が選挙区をおろそかにし、国民への視線がなかったかが分かります。選挙前に急に訴えても国民は騙されません。小泉劇場で、国民の多くは騙されました。郵便局の解体で、国民生活はよくなると信じていましたが、結果は、みんなが知るとおりです。地方の農業は、疲弊し、町にも失業者が増え、年間収入200万円以下の労働者が多くを数えました。是非、これらの問題には、真剣に取り組んでいただき、来年の参院選挙でも大勝してほしいものです。
 ところで、わたしが注目した選挙区の勝敗を調べてみます。
① 北海道12区 武部勤(自民)と松木謙公(民主)。予想どおりに松木氏の勝ち。武部氏は、比例で復活当選です。11区の中川昭一氏は、比例での復活もありませんでした。
② 岩手4区 小沢一郎(民主)と高橋嘉信(自民)。これも予想どおりに小沢氏の圧勝でした。
③ 福島2区 根本匠(自民)と太田和美(民主)。これも、予想どおりに太田氏の勝ち。
④ 東京5区 佐藤ゆかり(自民)と手塚仁雄(民主)。これも、予想どおりに手塚氏の勝ち。佐藤ゆかり氏は、比例での復活当選もありませんでした。
⑤ 東京10区 小池百合子(自民)と江端貴子(民主)。これは、江端氏の勝ちで、予想が、はずれました。小池氏は、比例での復活当選です。
⑥ 東京11区 有田芳生(日本)と下村博文(自民)。これは、予想どおりに下村氏(自民)が勝ちました。有田氏は、比例での復活当選もありませんでした。
⑦ 東京12区 太田昭宏(公明)と青木愛(民主)。これは、予想外に青木氏が勝ちました。予想のところで、「投票率が70%近くにならないと難しいでしょう」と書きましたが、69%の投票率が青木氏の追い風になりました。太田氏は、比例に登録していませんので、これで議員を辞めねばなりません。まさか負けるとは、思っていなかったのでしょうが、意外な潔さを見た感じです。
⑧ 神奈川11区 小泉進次郎(自民)と横粂勝仁(民主)。予想どおり小泉氏の勝利でした。
⑨ 静岡7区 片山さつき(自民)、城内実(無所属)、斉木武志(民主)。予想がはずれて城内氏が勝利しました。かれの落選してからの行動を知っていますので、できれば日本のためにも勝ってほしいと思っていましたが、神は、よくそういう人に不幸を与えますので、勝てないかもと思っていましたら、静岡の選挙民は、城内氏の日常の活動をよく見ていてくれたようです。かれは、浪人中、後援者からのわずかな支援で食いつないで来たのです。心から、おめでとうと言いたいと思います。
⑩ 石川2区 森喜朗(自民)と田中美絵子(民主)。予想どおりに辛うじて森氏がかわしましたがまさに僅差でした。
⑪ 愛知9区 海部俊樹(自民)と岡本充功(民主)。予想どおりに岡本氏が圧勝しました。海部氏は、引退するそうです。
⑫ 京都5区 谷垣禎一(自民)と小原舞(民主)。予想どおりに谷垣氏が、勝ちましたが、7千票差までに詰められました。谷垣氏にとっては、初めての経験でしょう。小原氏は、比例で復活当選です。変わり種の経歴が生かされることを願います。将来は、小池百合子氏のような防衛に門外漢の人が、防衛大臣になるよりは、小原氏のような経験のある人がなる方がいいでしょう。
⑬ 兵庫8区 冬柴鉄三(公明)と田中康夫(日本)。田中氏の勝利を願っていましたが、公明党、創価学会が死に物狂いでかかってくるだろうから、無理だろうと思っていましたら、予想がはずれて、田中氏が勝ちました。冬柴氏も比例に登録していないので、これで議員を辞めなければなりませんが、もともと高齢です。この選挙区は、今回の選挙の象徴のようでした。
⑭ 愛媛1区 塩崎恭久(自民)と永江孝子(民主)。予想どおりに塩崎氏が勝ちましたが、永江氏が、3千票差まで追い上げました。この選挙区は、自民党が一度も負けたことがなかった選挙区で、公明党の組織票5万票が流れたという中ですから、地元放送局の昼の顔は強かったと言えます。永江氏はよくやったと思います。ふたりのこどもが、母の選挙を応援している姿には感動しました。永江氏は、比例で復活当選ですから、これからもテレビなどで見ることがあるでしょう。
⑮ 福岡2区 山崎拓(自民)と稲富修二(民主)。予想どおりに稲富氏が勝ちました。稲富氏は見た感じは、あまりよくありませんので、風の勢いで稲富氏に投票した人が多かったのでしょう。山崎氏は、比例による復活当選もありません。
⑯ 福岡7区 古賀誠(自民)と野田国義(民主)。予想どおりに古賀氏が勝ちました。もっと、接戦になるだろうと思っていましたら、2万4千票の差をつけられました。野田氏も比例で復活当選です。
⑰ 長崎2区 久間章生(自民)と福田衣里子(民主)。これも予想どおりに福田氏の勝ちでした。久間氏は、比例での復活当選もありませんでした。
 結局、予想は、13勝4敗でした。勝率は、.764でしたので、まずまずでしょう。
 ところで、民主党を離党した浅尾慶一郎氏は、神奈川4区の小選挙区では、負けましたが、“みんなの党”で、比例で復活当選しました。先のブログでも書きましたが、神奈川県でもっとも総理に近い人と個人的に思っていますが、小才のある人に限って、先を急ぐのをあせって遠回りをします。今後も注目したいと思います。国民新党や社民党よりも“みんなの党”は、注目に値します。