2013年6月29日土曜日

HbAlcは7.5%未満にしてはいけない

   12ヵ月の血糖値の平均値を表す「HbA1cの値がどれくらいか」というのは、外来にかかる時にいちばん気になることです。血糖値は、前日にカロリーが高いものを食べると確実に高い数字が出ます。HbA1cは、ここ2~3ヶ月の血糖値のならされたものが出ます。ですから、医者はこちらを重要視します。

正常値はおおよそ6%未満ですから、7%だったり8%だったりすると、「6%を目指してがんばる」というのがほとんどの患者さんが目指すところです。

これに対して、アメリカ老年医学学会がびっくりするようなことを言っています。「薬で治療をしている65歳以上の糖尿病患者では、HbA1c7.5%未満にしてはいけない」

厳しい血糖のコントロールが、糖尿病性腎症や網膜症をある程度予防することは多くの信頼性の高いランダム性比較試験によって示されていますが、心筋梗塞や脳卒中に関しては効果が明確ではありません。さらに寿命の面で見ると、HbA1cの正常値を目指して厳しく血糖コントロールをしても効果がないばかりか、むしろ死亡率が増加するという研究結果も出ているといいます。低血糖に関しては、厳しいコントロールによって数倍に増えることが多くの研究で一貫して示されています。

65歳以上の高齢者の糖尿病患者はもう少し好きなものを食べて、HbA1c78%にした方がより安全な治療なのですということですが、本当はどうなのでしょう。今度医者に聞きたいと思います。

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