2011年9月2日金曜日

巨大津波の痕跡

 821日の日経新聞によると、太平洋沿岸各地の地層で、国の想定を上回る巨大津波の痕跡が相次いで見つかったとあります。静岡大などは東海地震としては最大級の津波が静岡市に来ていたことを確認しました。北海道大や産業技術総合研究所、高知大はそれぞれ北海道、東北、四国の沿岸で複数地震の運動による未知の津波が押し寄せていたことを突き止めました。

静大の北村晃寿准教授は産総研と共同で、静岡市の海岸線から約700㍍、約1050㍍陸側に入った2ヵ所で掘削調査し、津波が運んだ海砂などの堆積物を確認しました。その結果、約6000~約3000年前に2回の大津波が来たとみています。

砂粒の平均値から津波は秒速10㍍と試算しました。また、調査地点よりもさらに内陸側まで浸水した可能性が高いとしています。

北大の平川一臣特任教授は北海道南部にある渡島半島の東部、森町の海沿いの崖で津波堆積物を見つけました。津波は紀元前後、1213世紀、17世紀初めの3回発生し、高さは5㍍を上回ったとみています。道南地方の津波は13㍍とする中央防災会議の予想を上回ったものです。

産総研は茨城県日立市の1315世紀の地層から津波の痕跡を発見しました。宮城県石巻市や同山元町でも同様の堆積物を確認しており、東北太平洋沿岸の広い範囲を襲った可能性が高いと推測しています。

高知大の岡村真教授らは徳島県東南部~高知県の3ヵ所で、池の底から紀元前後の津波堆積物を特定しました。東海・東南海・南海地震が運動した1707年の宝永地震で水没しなかった池でも見つかり、津波は当時よりも巨大だったとみています。

関西大の河田恵昭教授は「最悪のシナリオを考えるうえで、過去の津波調査は重要だ」としています。

電力会社は、おおむねこの種の調査は必要ないとして来ましたが、これだけ出てくると調査は必要でしょう。

こう見てきますと、古代の都があった奈良市内、京都市内は地震が少なかったようです。

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