2012年11月16日金曜日

原田泰氏の震災復興欺瞞の構図(41)


  前日からの続きです。
「東日本大震災で被災した人々を直接助ければ4兆円の復興費ですむ。個人財産を政府の費用ですべて復旧したとしても6兆円ですむ。19兆円から23兆円と言われる復興費も要らないし、そのための10.5兆円の増税も必要ない。にもかかわらず、なぜ震災復興に巨額の効果のないお金が使われるのか。それは政治が、人々を政治に依存させようとしているからである。

税金によって住宅建設の頭金を得たり、自らの漁業を再建した人々は自立し、政治には依存しない。それでは政治はつまらないのである。エコタウンのような割高なエネルギーを用いて町を作れば、人々はいつまでも補助金を求める。それは政治の力を肥大化させる。高台移転のような巨大な公共事業を行えば、その工事には何年もかかる。人々は何年も政治に依存することになる。

民主党はコンクリートから人への看板を下ろし、八ッ場ダムの建設再開を決定した。公共事業への支出を減額し、社会保障支出の伸びをなんとか抑制する気をなくしてしまったようである。行財政改革も、地方公務員も含めた公務員賃金の削減もどうなるか分らない。消費税増税が議論されることが、むしろ財政支出の拡大を招いているようである、これで財政赤字はむしろ拡大する。
消費税増税によって高齢者一人当たりの社会保障支出を今増やせば、将来の赤字は確実に増大する。消費税増税を望んでいる人は、財政赤字を減らすことを目的としているのではなく、今、とりあえず、政府の無駄な支出を維持したいだけである。

日本はギリシャへの道を歩んでいると思わざるを得ない。ギリシャは勤労者の4人に一人が公務員という。人々は、公的部門に頼って生きるしかない。

財政赤字がギリシャの問題ではない。人々が政治に依存し、政治的な影響力によって自分の生活を守ろうとするしかなくなっていることがギリシャの悲劇なのである。日本の地方は、ギリシャに近付いている。東日本大震災によって、被災した地域はますますギリシャになろうとしている」
是非、国会議員にも、官僚にも読んでほしい本の1冊です。ギリシャになる前に、止めたいものです。

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