2012年10月7日日曜日

米CIA報告書で「尖閣は日本」と明記


 米中央情報局(CIA)が、沖縄県の尖閣諸島をめぐり、「領土問題は存在しない」とする日本の主張を裏づける内容の報告書を作成していたことが927日明らかになりました。

報告書は、日米両政府が沖縄返還協を調印する直前の19715月に作成したもので、当時の中華民国(台湾)が、米国の尖閣諸島含む沖縄の施政権に注文をつけ、これにCIAが調査を行いました。そして、この報告書は、米ジョージ・ワシントン大国家安全保障記録保管室に保管されていました。

報告書は、中国で文化大革命の担い手だった紅衛兵向けに66年に刊行された地図を例に挙げ、「尖閣諸島は中国の国境外に位置しており、琉球列島(沖縄)、つまり日本に属している」と指摘しています。678月に北京で刊行された一般向け地図帳でも「尖閣諸島は琉球列島に含まれる」と表記され、旧ソ連の地図にも中国領として表記はないと報告しました。

報告書は、「尖閣海域に埋蔵資源の存在が明らかになった後、中華民国が領有権を主張し、これに中国共産党が続いて問題を複雑化させた」と指摘しています。
歴史的にも国際法上も、日本固有の領土とする日本の主張には「説得力あり、領有権の根拠を示す責任は中国側にある」とし、「尖閣諸島」への中国のいかなる行動も、米国を日本防衛に向かわせるだろう」と結論付けています。

都内の財団法人「沖縄協会」の調べによると、台湾当局は71年、中学2年生向け地理教科書「中華民国国民中学地理教科書」で領土境界線を“改竄”し、尖閣諸島の呼称を「釣魚台列島」に改めていたことが判明しています。
70年の教科書では、「琉球群島地形図」で、同諸島を「尖閣諸島」と明示し、台湾との間に領土境界線を示す破線を入れ日本領としていました。しかし、71年には、呼称を「釣魚台列島」に変更、破線を曲げて沖縄県与那国島北方で止め、領有権の所在を曖昧にしていました。

 過去からの文献、実効支配などの点からも、尖閣諸島を日本以外の領土とするのは、無理があるようです。
 問題は、交渉に当たる外交官が、きちんとこれらの事実を記憶し、信念をもって、適切に取り出せるかです。大いに心配です。

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