2010年6月28日月曜日

消費税率のアップ

菅首相が、消費税率を10%に上げることを検討したいと言った途端、支持率が数%、下がりました。どうもこのひとは、中小企業の経営者のことが分かっていないようです。ただ単に消費者がモノを買って払う消費税が5%から10%になるくらいにしか考えていないようです。1000円買ってそのうち50 円が消費税で、10%になると50円から100円になるので、まあ大したことはないと思っている節があります。完璧に財務官僚に乗せられています。こういう中途半端な頭の構造の人は、口の巧い人にコロッと騙されます。

日本の企業の約99%が中小の零細企業です。いわゆる下請け企業が多いのです。消費税率アップで、どれだけこれら零細企業の経営者が苦しむか。消費税というのは、黒字、赤字に関係なく、支払わねばなりません。当然、売り上げが上がった時に消費税分を銀行にプールしていればいいではないかということですが、そんなに豊かに回る資金を持っている零細企業はありません。借金するよりは、消費税分を使ってしまいます。けっして、遊興に使っているわけではありません。しかし、期末になると消費税を納めねばなりません。遅くなると延滞税を取られます。必死になって集めてきてやっと納めます。払えずにクビを括る人もいます。

それが、10%になったらどうなるでしょう。経団連などは、18% が、適当とか言っていますがとんでもない話です。何も知らない主婦やコメンテーターは、買うのを5%控えたらいい、ダイエットにもいい、とかバカな発言をしています。

 零細企業、中小企業は、さあ消費税が10%になったからといって、5%アップで納品したら、5%ぐらいコストダウンして協力しろと言われます。これまで1000円のものは、1050円で納入しないといけないのですが、1000円のままです。そして、期末が来ます。税務署からは、10%の消費税を納入するように言って来ますが、5%でも必死にかき集めたものが、さらに5%余計に集めて来ないといけません。

こういう現実が、菅首相をはじめとする政治家、コメンテーターは分かっていません。消費税が10%になると、さらに自殺者、倒産が増えます。日本は、人口10万人当たりの自殺者でも先進国のなかでワーストワンです。職業別では、自営業・家族従事者が3202人で全体の9.7%を占めています。自殺ラッシュがスタートしたのが、1998年で前年の97年に消費税率が3%から5%に引き上げられた年でした。2%上がっただけでも自殺者が急増にしたのです。これが、5%から10%になったら、どういう悲劇が待ち受けているのでしょう。 

政府は、消費税アップがどういう影響が出るのか、中小企業のためにどうしないといけないのか、などを十分に調査し、対応し、監視する必要があります。これは、感覚的な簡単な問題ではありません。

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