2010年6月10日木曜日

読書術(3)

 いい本と出会う、とっておきの方法
 どの本を読むか。文章の達人が、実際に読んでみて、面白かったり、感動した本について書いた本を読むのがいいと書いています。
 哲学者の木田元さんの著書『猿飛佐助からハイデガーへ』の中には、『少年講談―一休和尚』から100冊の本が取り上げられています。
 木田さんは、読む本の量は、週に2、3冊とすると年に58週で116~174冊。仮に150冊とすれば、10年で1500冊、70年間で1万冊ぐらいになる。この中で、轡田氏のいう1000冊読破がどういう位置付けになるか分かりません。受け取り方でさまざまでしょう。
 もっとも手っとり早い方法は、日刊紙の朝刊の書評欄、読書欄をたんねんに読むことであると書いています。朝日、毎日、読売、日経、東京、産経などの日刊紙は、主として日曜日の朝刊に「読書欄」を設けています。2009年2月1日付の朝日新聞朝刊の「読書」のページは5ページもあります。そこに紹介されている本は、50冊を超えています。それが、月4回として、200冊になります。1年なら2400冊となり、1000冊読破などは、屁の河童です。
 「それは、本の数だけではないか」、という人もいるでしょうが、「読書」欄の筆者たちは、読書の名人ぞろいなのである。「読書の名人」は、必然的に「文章の名人」であり、「要約の名人」である。とくに毎日新聞の「今週の本棚」を推奨しています。執筆陣が驚くべき陣容で、丸谷才一氏、山崎正和氏、鹿島茂さんなど、現代日本を代表する「読書の名人」、すなわち「文章の名人」「要約の名人」が綺羅星のごとく並んでいる。家で毎日新聞を購読していない人は、日曜日の朝、散歩がてら駅売りを買いに行くことを勧めています。
 書評こそは、一国の文化・文明の程度を示す尺度なのであるとも書いています。書評欄を読むと、その本を「読んだつもり」「読んだふり」ができるだけのネタはもらえるとあります。

 時間がない人のための超読書術
 書店の店頭に積んである、出版社のPR用の小冊子もきわめてお得な読み物です。本の紹介はもちろん、手だれの筆者によるエッセイなどは楽しい。しかも原則タダである。轡田氏は、くたびれ果てて帰宅したとき、しばしば文庫解説目録を手に寝床に入るそうです。
 明日に続きます。

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