6月10日、奈良県明日香村の檜隅寺跡から7世紀後半~8世紀に鋳造された金銅製仏像の右手部分が出土し、明日香村教育委員会が発表しました。檜隅寺は、渡来系氏族の東漢氏の氏寺とされます。出土したものは、長さ2.3センチ、幅1センチほどの小さなものですが、朝鮮半島製の可能性が高いそうです。東漢氏は、蘇我氏の勢力圏下にあり、持ちつ持たれつの関係だったようです。崇峻天皇の暗殺の際には蘇我氏に手を貸しています。甘樫丘の蘇我邸の守備も行っていたようです。また、最新の技術と兵器、知識を朝鮮半島から持ち込みました。蘇我氏の隆盛には、大きな役割を果たしました。東漢氏の力からするともっと大きな氏寺を創建してもよかったのでしょうが、蘇我氏を支援してきた負い目からか、比較的小さな伽藍でした。しかし、今は、伽藍もなく、ひっそりと石塔が残るばかりです。東漢氏は、朝鮮半島から日本に渡り、仏教への信仰が篤かったのでしょう。多くの仏像を日本に持ってきたのでしょう。この出土した右手は、金色に輝いていました。檜隅寺跡は、高松塚古墳とキトラ古墳に挟まれた位置にあります。明日香村というのは、どこを掘っても何か出てきそうな気がします。市制に移行する村が多い中、孤高に村制を守っています。
写真:奈良県明日香村の檜隈寺跡で出土した金銅製の仏像の右手=10日〔共同〕
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