2013年1月25日金曜日

藤巻健史の日本大沈没(10)


「ものづくり日本」が沈没したのは、ひとえに為替のせいだと藤巻氏はいいます。これは、わたしも賛成です。
問題は、日本企業が韓国企業に負けた理由に、主として「マーケティング力の差」と捉えていることです。

人が生きていくためには、「働く」か「お金」に働いてもらうしかありません。日本企業が日本に戻ってくるためにも、そして外国企業に日本進出してもらうためにも、円安は極めて重要です。
円高とは「外国人が円を買っている」せいではなくて、「日本人が円を売って外国に投資しない」方が主因です。外国人が円を買っているのであれば、一部は銀行預金のままであるにしても、買った円で何かに投資しているはずです。

しかし、「日本の国債の91.7%を日本人が持っている」のならば、「外国人の日本国債への投資は少ない」ということです。
ヘッジファンドの報酬は、「預かり資産の2%程度の固定手数料と成功報酬」から成り立っています。ヘッジファンドの成功報酬は通常、「6ヶ月ものドル預金の金利より多い部分」を「儲け」と定義とするケースが多いのです。

いまでこそ米国もゼロ金利を採用していますが、以前はドルの6ヶ月金利はそこそこ高かったのです。その6ヶ月金利よりかなり低い国債等の円資産に投資したら、一種のハンディキャップレースになります。
そのハンディキャップ以上に為替で儲かるとかキャピタルゲインを稼げるとか、そういう自信がなければ、わざわざ資産を日本に振り向けるはずがありません。
多くの方が想像しているほど、外国人が日本に投資しているとは思えません。

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