2013年1月31日木曜日

藤巻健史の日本大沈没(16)

資産運用の大原則は、「強い国のリスク資産を買う」ことです。

日本が強かった1980年代には日本の不動産と株に投資し、1990年代から2000年代には強い米国の株や不動産に投資するのが原則で、それを実行した人がお金持ちになれました。

世界で一番強い国は、いまも米国だと思います。

なぜ米国が強いのか

米国が強いのは、まず第一に資本主義国家のリーダーだからです。

米国は市場原理が発達しているので、膿が大きくたまることはありません。これは大きな強みです。

2の理由として、財務大臣がプロ中のプロで、財政、金融や経済のコントロールに安心感があります。

米国金融機関では、商品について一番よく知っている人が、その部署のトップとなります。

3の理由は、株価自体が「米国は強い」と言っているからです。

「株価は6ヶ月先、1年先の景気を予測する」と言われますが、その米国株価自体が強いのです。

株価には、「景気を予想する以上の働き」があります。「株価自体が実体経済を押しあげたり押しさげたりする」のです。

日本のバブル時代のシーマ現象は有名です。

日産の当時の高級車シーマがバカ売れした話です。土地や株の価格が上がって、皆、お金持ちになったつもりになったから、軽自動車のかわりにシーマを買いました。シーマが売れているので、投資家はさらに日産の株を買い増す、という好循環が生まれました。これを「資産効果」と言います。

株価の上昇が消費を刺激し、それがさらに株価を押し上げた、という具合です。 

リーマン・ショックの1年前の2007年に史上最高値をつけた後、リーマン・ショックを受けて、一時、最高値の半額程度まで急落しました。

しかし、また上昇して、いまや史上最高値を再度狙おうという勢いなのです。

日本株の値段は情けないことに、米国の株価が史上最高値をつけた2007109日と比べても、その半分です。

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