2013年1月14日月曜日

シャープが液晶パネルを再利用


これは、昨年12月26日の日経新聞の記事です。
「シャープは使用済みの液晶テレビの完全リサイクルにメドをつけた。これまで再資源化が難しかった液晶パネルを高機能素材に再生する技術を開発した。この素材を販売することでリサイクルにかかるコストを削減でき、消費者にとっては廃棄時に支払う費用の軽減につながる」というものです。この日、シャープの株価は、この記事でかなり上がりましたが、同じこの日に、鴻海がシャープの南京工場の買収は取り止めたという発表で、株価が下がりました。

液晶テレビは家電リサイクル法の対象になっており、消費者が負担する費用を回収や再資源化に使っています。液晶テレビのリサイクル料金は16インチ以上で2800円程度。液晶パネルの基幹部品であるガラス基板を素材として売却できれば、リサイクルの採算が改善します。同社は他の家電メーカーへの技術供与も視野に入れているということで、非常にいい発表でした。

シャープは大阪府立大学と共同で、ガラス基板を水質浄化材などとなるゼオライトにする技術を開発したわけです。ガラスを粉砕して化学反応させ、水中の汚濁物質などを吸着させる仕組みで、土壌改良材などにも利用でき、安定した需要が見込めそうです。

これまでは、家電各社はパネルをそのままセメント原料などとしてリサイクル会社にほぼ無償で提供しているか、料金を払って廃棄処分してもらっていました。

液晶テレビの廃棄台数は、業界推計で11年度に60万台でしたが、15年度には260万台、20年度には500万台に増える見通しです。このまま廃棄台数が増えていけば、リサイクルの採算が悪化しかねない状況だったわけですから、液晶メーカーとしては、すばらしい研究成果だと思います。「家貧しくて、孝子あらわる」になれば、よろしいと思います。そういえば、最近、シャープの新製品の発表など、マスコミの報道がシャープに対して優しいように思います。これは、多くのひとが、シャープのがんばりに期待しているからでしょうか。

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