2008年9月12日金曜日

十五少年漂流記(4)

ドノバンたちが、東海岸でボートを発見したときに、洞穴の近くでドーバンたちは、ひとりの女性を助けます。ケートといいます。ケートはセバーン号に乗っていたのですが、水夫のワルストンが仲間をそそのかして謀反を起こし、狂暴にも船長ほかを殺してしまったのです。ケートと二等運転士のイバンスのみが助けられました。ワルストンは、当時まだ南米に残っていた奴隷の売買にこの船を使い、一儲けしようと考えたのです。ところが、船に火災が起こり、ボートで逃げ出します。そのうち嵐にあって、チェアマン島に打ち上げられました。ケートの話を聞いたブリアンは、ドノバンたちのことが気になり、モーコーとふたりでゴムボートで捜しに出かけます。森の中に火が見えます。注意しながら、進んでいくと、突然、「助けて」というドノバンの悲鳴が聞こえました。大急ぎでブリアンは駆けつけます。そして、今にもドノバンに襲いかかろうとしたジャガーにブリアンは飛びかかり、ジャガーの喉をナイフで刺します。ドノバンは、感謝し、これからはブリアンに従うことを誓います。これで、十五少年の結束は固くなりました。
 ドノバンたちも洞穴に無事戻りましたが、まだ凶暴なワルストンたちが、島にいるので、入り口を固く締めてみな出歩くことができません。2週間以上たった頃、ワルストンたちが島を去ったかどうか議論になりました。それで、確かめるために大きな凧を作ることにしました。そして、これにはまたもブリアンが乗るのです。夜、凧を揚げました。高く舞い上がりましたが、綱が風で切れてしまいました。ブリアンは湖水に落ちましたが、無事でした。ブリアンはワルストンたちの焚火を見たのです。ワルストンたちは、湖水で凧を発見し、この島に人間がいることを知ります。そして、段々洞穴に近づいてきます。そういう中、扉を激しく叩く人がいます。ケートがそっと見ると運転士のイバンスでした。かれを中にいれ、ワルストンたちのことをいろいろと聞きます。またチェアマン島が地図上では、ノーバー島であり、南米大陸に近いことも知ります。ワルストンたちが乗ってきたボートを修理できれば、近くの港にも行けることも知ります。一躍、勇気づけられます。その前に、ワルストン一味を退治しなければなりません。凶暴な相手ですので、殺害する以外にないのです。少年たちは、次々に水夫たちを倒していきます。そして、ゴムボートで逃げようとしたワルストンら3人をモーコーが大砲を打って命中させます。
 それからは、運転士のイバンスを中心にセバーン号のボートの修復が進みます。やがて、全長9メートル、幅1.8メートル、17人が楽に乗れるボートの完成です。ボートにいっぱい詰め込んで出発です。帆を張って、西に進んで行くうちに、オーストラリア行きの汽船、グラフトン号に救われます。船長は、親切でメルボルン行きの航路を変更してオークランドに寄港してくれました。太平洋の底深く沈んだと思っていたこどもたちが、ひとりも欠けることなく戻ってきたので家族は大喜びです。このニュースは、オークランド全市をかけぬけました。みな、少年たちの勇気を讃えました。また、オークランドの市民は、イバンスに商船「チェアマン号」をプレゼントしました。
実際には、こういう話は、起こりようもありませんが、面白い話でした。昔から、少年に読まれたことが分かります。わたしたちの少年時代は、家の近くに雑木林が多く、少し大きな枝の上に棲み家を作り、学校から家に帰るとカバンを投げ出して、この棲み家にかけつけて暗くなるまで遊んだものです。もうそういう雑木林のない今のこどもたちは可哀そうな気もします。

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