2008年9月10日水曜日

十五少年漂流記(2)

忘れた方のために、このストーリーを述べましょう。30章からなっています。ジュール・ウェルヌの小説には、ほとんど女性は出て来ません。この本でも最後の方で出てくるのみです。また、他の小説でも性描写はないそうです。
ニュージーランドの首都オークランド市のチェアマン学校の小学生14名と12歳の黒人ボーイが、漂流して、無人島で2年間を過ごす話です。1年生から5年生(この小学校は5年生が最上級です)がスクーナーのスルギ号でニュージーランドを2週間かけて回る予定でした。主人公のブリアンが13歳、弟のジャック(3年生とあるのみで年齢の記載はないが12歳と思われる)がフランス人、ゴードンがアメリカ人で14歳、そのほかはイギリス人。ドノバン、クロッス、バクスター、ウイルコックスは13歳、ウェップ、ガーネット、サービスは12歳、ジェンキンス、アイバースン、コスターは9歳、ドールは8歳。この14人と黒人のモーコーの計15人と犬のフヮンの話です。ゴードンは思慮深く、ブリアンはスポーツが得意で勇気があり、下級生の面倒もよくみるためにクラスの人気者。ドノバンは成績は1位ですが、人気者のブリアンを妬ましく思っています。ドノバンについているのが、クロッス、ウイルコックス、ウェップの3人。この4人は、ことごとくブリアンに反対します。その他の少年は、ブリアンの味方です。
 出発の前日から少年らはヨットに乗り込んでいましたが、船長、水夫らは陸に上がっていました。この夜、ヨットを留めていた艫綱がはずれ、太平洋に乗り出します。あいにくの嵐で、ヨットは帆柱も折れます。しかし、なんとか無人島とおぼしきところに流れ着きます。岩礁が多く、砂浜にあげるのにも苦労します。そして、陸に船の荷物を上げますが、よくもこれだけ積んでいたものだと思います。食料、水は当然として、ライフル銃8丁、ピストル1ダース、船を修理する道具から大砲まで積んでいます。この小説の舞台になった1860年代のニュージーランドは、まだまだ物騒だったのかも知れません。
 陸に上がると、これが島なのか、陸につながっているのか知る必要があります。ブリアンが一人で岬の一番高い所に出かけます。ここであざらしやペンギンに会い、自分たちが想像以上に南に流されていることを知ります。
 そして、洞穴に人の住んだあとを見つけるとともに、大きなぶなの根元に散らばっている人骨を見ます。愕然とします。また、亡くなった人が作成した地図も発見します。そして、大陸とつながっていない島であることを知り、わずかな望みも断たれます。
 そうなると、この冬を乗りきるためにも、この洞穴に早く移り住み、準備をしなければなりません。筏を組んで、船の荷物を洞穴まで運びます。洞穴を広くしたりして、とりあえず済むための環境を整備します。銃のうまいドリアンらは、森に鳥などを打ちに出かけます。また、落とし穴を作ったりして、動物を捕獲します。あざらしやペンギンも捕獲します。狐を打ち、50枚もの狐の毛皮を得たりします。料理は、ボーイのモーコーが担当します。落ち着いたところで、秩序を保つために大統領を選ぶことになります。任期は、1年です。次は、明日のブログへ。

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