2013年2月4日月曜日

藤巻健史の日本大沈没(20)

   日本の消費税は5%と先進国では断トツに低くなっています。

日本では、税金支払いという国民の義務を果たしていない人がものすごく多いということです。それなのに10%ぐらいの消費税で、軽減税率の話が出てくるのです。

ごく少数の人しか税金を払わないのに、その少数の人への所得税の最高税率は世界最高に高い。それなのに、さらに最高税率を上げようとしています。格差是正を錦の御旗に「高所得者層に最高税率をかけて、税金を取ろう」としているわけです。

日本で最高税率がかかり始める人たちは、世界的レベルでいうと、決して高所得者層ではありません。相続税についても、世界の流れは、「相続税をなくす方向」にあります。

 オーストラリアは相続税がありません。香港もありません。アメリカでも、たしかハワイはなかったと思います。「給料などフローのお金だったらまだしも、一度自分のものにした自宅とか預貯金を取り上げられることほど恐ろしいことはありません」

彼らにとっては最大の財産喪失リスクは、「離婚に伴う慰謝料」といいます。

「逆資産効果」が働くと、景気が低迷します。最初に仕事を失うのは、低所得者です。土地や株の税率を下げたことにより、これらの価格が上れば、低所得者が一番最初に就職という形でメリットを受けるのに、いつも反対運動が起こります。この反対運動は、気がついているかいないかは別として、「国民全体が平等に貧しくなればよい」という運動になるのです。

 
なぜ日本人の生産性は低いのか

日本の企業は「株主資本主義」ではなく、「社会資本主義」で経営されていると言えます。

グローバルな競争がますます激しくなるときに終身雇用制を維持しようとしていると、人件費高騰で、外国の企業に吸収されるか、退場を余儀なくされるかもしれません。

グリーン車にはビジネスマンが多いのですが、1車両で仕事をしているのは平均67人というところでしょうか。あとの人達は週刊誌を読んでいるか、マンガを読んでいるか、寝ているかです。

アメリカだったら、まず間違いなく仕事をしているひとばかりでしょう。そうしないとクビになってしまう競争社会ですし、平日は猛烈に働いて休日を充実させたいかもしれません

欧米人と日本人のハワイトカラーの生産性はえらく違うというのが藤巻氏の実感と言います。
 ありもしない格差の是正を念願に、税金や経済対策を練ってきたからこそ、日本はおかしなことになってしまったのです。

所得中央値とは、「人々を所得の多い人から少ない人まで並べたとき、ちょうど中央に位置する人の所得額」のことです。2007年の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、世帯所得の中央値は451万円だそうで、その2分の1、すなわち225.5万円以下の収入の世帯が、貧困層だということです。

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