2013年2月11日月曜日

シェールガスの戦略的意味


米国が2020年までに世界最大の産油国になるとの国際エネルギー機関(IEA)の予測です。

IEAの「世界エネルギー展望」は、米国が20年までに天然ガスの純輸出国、35年までにはエネルギー完全自給国になるとも見通しています。地中深いシェール(頁岩)層から採掘できるようになったシェールガス・オイルさまさまであると、産経新聞の1221日の「風を読む」は、書いています。

エネルギーが安価になって、化学、鉄鋼、アルミ、ガラスなどを中心に米製造業は競争力を取り戻し、日本もアジアだけを気にするわけにはいかなくなります。

エネルギー自給は、歴代米大統領の悲願でした。ブッシュ前大統領は06年の一般教書演説で、「米国は石油中毒だ」とし、不安定な中東産油への依存を過去のものに、と訴えました。

国際テロ組織アルカーイダの当時の指導者、故ビンラーディン容疑者は、サウジアラビアが奉じるイスラム教ワッハーブ派の鬼っこで、過激派の温床、パキスタンのイスラム神学校にはサウジ資金が流れています。大産油ゆえに米国が庇護する「親米サウジ」の裏面に、テロと戦うブッシュ政権は苛立っていました。

米国が「油」で用済みになった中東への関与と海上交通路から手を引き、中東産油頼みを強める中国が「油送ルート」の確保に乗り出せば、まさに悪夢となります。

安部晋三政権には卑近なところで、「シェール革命」もにらんで、取り合えず原発の再稼働を、と要望しておこうと書いています。

 

0 件のコメント: