13年ぶりにハノイを訪問しますと、携帯電話の事情はまったく異なっていました。当時は、携帯電話はほとんどなく、固定電話のみでした。ところが、今や5000万以上のサブスクライバーを有するまでに市場形成されています。当時、出来たてホヤホヤの軍の通信部門とPHS-WLLのテストを行ったのですが、総務部などからは、「軍とやって大丈夫なのか」、「会社に迷惑をかけないか」などと心配されたものです。その軍事通信の経営する携帯電話会社が、ベトナムでNo.1キャリアです。2位、3位は、VNPT(日本のNTT相当)が運営する携帯電話キャリアです。そのほか、内務省(公安)が運営する携帯電話キャリアがあります。これら4社は、GSMですが、ベトナム南部でのみCDMAサービスを行っている会社があります。これは、海外との合弁です。3Gも昨年の6月からViettel, Mobifoneの2社がサービス開始していますが、まだほんのわずかです。
(1)Viettel-mobile(GSM) 1942.6万人(軍事通信傘下)
(2)Mobifone(GSM) 1334.1万人(VNPT傘下)
(3)Vinafone(GSM) 1210.8万人(VNPT傘下)
(4)Beeline(GSM) 400万人(内務省傘下、ロシアも出資)
(5)Sfone(CDMA) 315万人(海外との合弁、南部のみ)
(6)Vinamobile
(7)EVN ( 電力会社傘下)
話題のiPhoneは、ベトナムでは正式な販売ルートはなく、密輸によるものがほとんどです。携帯端末を販売している店舗は、日本の量販店に似た大きな店もあれば、ほんとに小さな店もあります。Beelineなどは、自ら販売のための店舗を作っています。そのほかの通信キャリアは、自らは販売していません。ベトナムでも、ノキアとサムソンが強く、この2社は、自ら修理店を持っています。残念ながら、日本メーカーの携帯は、目にしませんでしたが、夜、レストランで弦を弾く女性に見せますと、非常に好評でした。3人のうちのひとりは、iPhoneを持っていました。こういうところの女性の評価は、結構重要です。
瀟洒なノキアのショップの店頭で働く女性に給与を聞くと、日本円で1万円程度でした。中国と比べても半分以下です。多分、この賃金水準は、それでもベトナムの平均水準よりは、若干高いと思います。中国の初期もそうでしたが、ベトナムでもかなり無理して携帯を買っているように思いました。
ベトナムの人口は、約8423万人、ハノイ、ホーチミンともに625万人程度ですが、ホーチミンの方が若干多いようです。携帯電話の普及率は62%程度ですので、収入の割には、普及率は高いといえます。中国のひとつの省ほどの市場はあると思われます。
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