2012年4月7日土曜日

日本一の幸福者、本多静六の人生の秘訣(16)

昨日からの続きです。

21.人は誰でもうぬぼれを持っている。

多かれ少なかれ、このうぬぼれがあるために、人は職業人として立っていけるし、どんな仕事もやっていけるし、一人前の世渡りもできる。

実際には、うぬぼれで成功するよりも、うぬぼれで失敗することのほうがはるかに多い。

うぬぼれとはどのように付き合えばよいのであろうか。うぬぼれの「大出し」はしないことである。うぬぼれは、目立たぬよう、笑われないよう、知られないように、ジワジワと「小出し」にするべきである。

目的を達成するまでは、うぬぼれを心ひそかに継続して持っていて、専心努力すべきである。コツコツ努力を続けているうちに実力がついてきて、うぬぼれが本当の自信になり、コツコツ努力を続けているうちに、本当の手腕、力量、人格が備わってくる。

うぬぼれを世俗的に解釈して、一途にバカにしてはいけない。うぬぼれを持つことで、その人は何倍も大きくなる可能性を持ちうる。そのためには、正しい自己反省を常に忘れないことが求められる。

本多のところにも、平常、何にかと相談に来て、大成功した実業者がいたが、一度、成功すると、その後は慢心して、慎み深さを失った。せっかく相談に来ながら、本多が大いに反対したにもかかわらず、不慣れな事業に手を広げすぎて、大失敗してしまった。

手っ取り早く成功しようとする人は、また手っ取り早く失敗するであろう。

本多は、我が家の平和のために、次のような憲法を実行している。

その憲法はきわめて民主的だ。本多は「ジャンケンポウ(憲法)」とと呼んでいる。

家族の間で、もしも意見が一致しない問題が起こったときは、二度までは互いに自分の意見を主張するが、三度目には必ずこのジャンケンポウの裁決を仰ぎ、負けたほうは勝った者に必ず従うことに決めた。争いが起きるのは、たいてい五十歩百歩、どちらでもよいことである。しかも、それが負け惜しみややせ我慢などによって、まずまず議論に陥り、抜き差しならないようになってしまう。

こんな場合には、お互いに笑って解決する方法が一番で、その方法の一つがジャンケンポウなのである。

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