2012年2月2日木曜日

60歳からの生き方(18)

 自分に自信がないときは、“べきだ”と主張してすませてしまう。これを繰り返していると、自分の存在はどんどん薄くなっていきます。それは、主体性のない生き方にほかなりません。

サラリーマン同士が集って、昨夜のプロ野球の話をしているときなどに、よく「自分が監督だったら、あんな采配を振るったりはしない」という人がいます。そして、自分ならどのような方法で、あのようなピンチの場面に対処するかを、想像力たくましく再現してみせます。つまり、彼はプロ野球をみるときに、一観衆としてみているのではなく、監督という立場の人間に自分を置き換えて、試合の組み立て方を考えながら見ているのです。

日常生活のなかで、これと同じようなことをひんぱんに考えながら生活している人がいます。こういう人たちは、一般に頭が硬直化しにくいといわれています。

これは、心理学でいうロールプレイイング(役割演技)の考え方に通じる心理効果を生むやり方といえます。

日常場面でもセールスマンや百貨店販売員が客になったり売り手になったりして、それぞれの役割を演じます。「こういう場面のとき、自分ならどう対処するか」と考え、それを実際にやってみるのです。

テレビドラマや映画をみているときにただなんとなく見るのではなく、その主人公になったつもりで、「自分ならどうするか」を頭のなかで考えながら見るようにするのです。

物事の対処法を、つねに自分を中心にして考えていく訓練を毎日繰り返し行っていくと、思考力が柔軟になり、直感力がつき、積極性も身についてくるのです。

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