2009年5月2日土曜日

麻生首相の訪中

 わたしもたまたま4月29日から5月1日まで、北京にいました。麻生首相の訪中の日程もまったく知らずに。知っておれば、宮本大使か中国側に頼んで、レセプションに出席できるように早めに手を打ったかも分かりません。29日、30日と、長安街を車で走って、天安門近辺に日の丸の旗と中国の五星紅旗が並んで立っていました(写真)。日本からかなり偉い人が来ているなと思っていましたら、中国側との打ち合わせの中で麻生首相が訪中していることを知りました。28日(?)の日経新聞で、日中で3G、3.9G、LTEなどについて、協力してやっていくことをいかにもスクープ的に取り上げていましたので、このことだったのかと思いましたが、わたしが会った中国側の通信の関係者は、ほとんど関心を示していませんでした。日本で、携帯の販売が、大きく落ち込んでいるので、そのカバーを中国でやろうという日本側の意図でしょうが、中国側は、冷静です。「中国マーケットは、いつでも開放しているので、どうぞ来てください」というスタンスです。携帯に関する技術、生産、コスト競争力にも自信を持っています。甘い考えで行くと、2度目の中国撤退を発表しなければならなくなります。しっかりマーケッテイングをやって、進出してほしいものです。当社で発行している「中国通信情報」は、月2回発行で、5年目に入りました。唯一の中国の通信状況を知る情報誌です。参考にしていただければ、幸いです。
 今回、長安街を走って、ホッとしましたのは、中国警察は、中南海の中国幹部が、外出するときは、平気で長安街を閉鎖します。これは、以前に書いたことがありますが、今回の麻生首相の移動には、大勢の警官、武装警察が出ていましたが、交通規制はほとんどやっていませんでした。もし、大幅な交通規制をやっていて、交通渋滞を起こしていると、日本がこの渋滞を作ったということで、反日の高まりを見せたかも分かりません。添付の韓国の中央日報は、反日の中、麻生首相が北京を訪問したとありますが、反日のデモも、もちろんなく、平常とまったく変わりませんでした。変わったのは、人民大会堂の屋上に多くの五星紅旗が翩翻と翻っていたことぐらいでしょう。また、多分、麻生首相の宿舎となったと思われます貴賓楼飯店にも、日頃はない五星紅旗が多く翻っていました。最近の中国政府は、冷静に対応していますし、市民も熱くなり過ぎることはありません。いい隣人として、付き合っていくべきでしょう。
 ≪中央日報Joins.com 2009.04.30 10:23:33 ≫全文
 反日感情高まる中、麻生首相が中国訪問
 麻生太郎日本首相が29日、温家宝中国首相の招待で中国を訪問した。昨年5月、胡錦濤中国国家主席の日本訪問に対する答礼訪問形式であると同時に、首相就任後、初の公式中国訪問となる。
麻生首相はこの日、人民大会堂で温首相と会談し、30日午後には胡主席に会う。温首相は麻生首相との会談で「中日両国関係の改善と発展は容易に成り立ったものではない」とし「両国はこれを保護しなければならない」と強調した。また「両国関係の長期的な安定と友好的発展は、両国人民の利益にも符合して世界平和と安定にも役立つ」と付け加えた。両国は環境とエネルギー分野協力を盛りこんだ「日中環境・エネルギー節約総合協力計画」に関する協定を締結する予定だ。両国のリーダーらは青年企業家交流と3世代(3G)携帯電話技術協力案などに対しても論議する。
 北京外交消息筋によると、盛大だった胡主席の昨年の日本訪問に比べ、今回の麻生首相の訪中は極度に冷ややかな雰囲気の中で行われた。麻生首相が21日、靖国神社に真榊を捧げた事実が伝わり、中国外交部が正式抗議する事態が起こると、今回の訪問が取り消されるのではないかという観測まで出るなど紆余曲折があった。また27日には中曽根弘文外相が「中国が核兵器を削減しなかった」と中国の核武装を強く批判した。特に中国では最近、日帝の中国侵略蛮行を告発した映画「南京」が公開されて人気を集めている。それだけ中国で反日感情が再び高まった時点に、麻生首相が訪中した。

2009年5月1日金曜日

世界の株価に大きな差

 4月9日のデータですが、アジアと欧米では、株価の戻りに大きな差が生じたようです。おしなべて、アジアは水準が戻り、欧米は悪化しています。世界の20市場の昨年末と4月9日を比較すると次のとおりです。
 上海+30.7%、台湾+23.4%、ロシア+20.4%、ブラジル+17.7%、韓国+17.1%、インド+12.0%、アルゼンチン+7.7%、シンガポール+3.8%、香港+3.6%、日本+0.6%までが、プラスです。マイナスは、カナダ-0.2%、オーストラリア-1.1%、南アフリカ-5.9%、スペイン-8.6%、フランス-9.2%、ドイツ-8.4%、スイス-9.7%、米国-10.7%、英国-11.55、イタリア-13.0%です。
 株価が回復基調に転じたのは、3月中旬以降で米国経済指標の一部が下げ止まったうえ、金融安定化や景気刺激策の各国の政策協調が評価されたためといえます。3月9日に26兆ドル強まで落ち込んだ世界の株式評価額が、8日には32兆ドルまで回復しました。回復が鮮明なのは、中国です。わたしが、昨年から一番最初に経済危機から抜け出すのは、中国だろうと言って来ましたが、そのとおりになって来ました。テレビなどで有名な評論家は、わたしの論とは、違うことを言っていましたが、最近は急に変わって来ました。所詮、この人たちは、机に座って、パソコンを叩き、経済誌を見ての判断ですから、自分の意見ではありません。アナリストの分析結果をいかにも自分も同じ意見と雷同しているだけです。わたしの場合は、中国でビジネスをやっている人たち、経済を動かしている人たち、実際の消費者の動きを見ていますので、よく分かります。これに経済データを加味すれば、正確な予想が出来ます。もっともテレビに出ている評論家にわたしのように動いて情報をとれ、肌で感じろと言っても所詮できないことです。
 中国政府は、昨年11月に4兆元(57兆円)の経済対策を発表しました。中国政府は、農村が車を買い、家電を買い、携帯を買うように補助策を出しています。液晶テレビも売れ行きが戻りつつあります。さらにインフラがらみになりますが、いよいよ携帯の3Gが始まります。三大通信キャリアが一斉にやるのです。この経済効果たるや、凄まじいものになります。しかし、日本の通信機器メーカー、コンテンツブロバイダー、半導体商社、電子部品メーカーも指をくわえて見ているだけです。理由は、代金の回収が難しいために日系にしか売りません。その日系が中国から撤退していますので、売れるはずがありません。ノキアはどうしていますか、サムソンはどうしていますか。そのようなことは、言いません。
 日本企業の多くは、みな、沈みゆく船に乗っているのです。以前は、護送船団方式とか言っていましたが、いまは、そんな上等のものではありません。タイタニック号に乗船した乗客、乗員みたいなものです。あのように氷山にぶつかっていませんので、すぐには沈みません。しかし、船底には、穴が空いているのです。このままでは、必ず沈みます。国が、経済対策を打ちましたが、粘土で穴を詰めたようなものです。一時的に海水の浸入は減っても、時間が経てば、海水が侵入して来ます。
 うまくやっているのが、台湾です。通信二流国と思っていましたら、日本は抜かれつつあります。コスト的には、もう随分前から勝ててないでしょう。品質は、日本の方がいいといいますが、量を作らないと品質は上がりませんし、安定しません。
 日本の政治家、経営者は、自分の今のことを考えず、次世代のことを考えて、対処して欲しいものです。沈みゆくタイタニックから下ろすボートには若い人を乗せ、自分らは沈みゆくタイタニックに残るという心境になってほしいものです。豪華な車での送り迎え、移動は、身体をますます肥満にさせ、健康にもよくありませんし、脳に栄養も血液も酸素も回らなくなります。意識を変えましょう。