2013年11月30日土曜日

糖尿病で必要な検査

 糖尿病の予防のために行なう運動や食事制限をする前にどんな検査を行うべきかという記事がありました。

 「糖尿病の究極の目標は、合併症を阻止すること。合併症には糖尿病網膜症や神経障害、それに糖尿病腎症の悪化による人工透析の阻止が重要です。それには腎機能を調べることです」

血液中のクレアチニンの量を調べる血清クレアチニン値が有名ですが、腎機能はかなり悪くならなければ異常値を示しません。軽度の時は、わからないということです。そこでお勧めなのが微量アルブミン尿だそうです。腎機能の低下が早期にわかります。

「アルブミンは血液中に一番多くふくまれるタンパク質で、通常は尿中に漏れ出すことはありません」

検査は試験紙を尿にひたして行う。値が30299/gCrの範囲内なら微量アルブミン尿と判定されます。

いまは早期の腎症であれば、薬剤で正常化になるそうです。

2013年11月29日金曜日

慰安婦問題への反撃

 慰安婦問題を悪化させたのは河野洋平元衆院議長であることは、だれもが知っています。閣議決定もなく、彼が慰安婦募集の強制性を認めた「河野談話」をめぐって新たな動きがありました。元慰安婦への聞き取り調査が、極めてずさんだったことを暴いた産経新聞のスクープ(1016日)を受け、日本の母親たちのグループが河野氏に対して、「ずさんな調査を知っていたか」「河野談話の撤回に賛同するか」という公開質問状を送りました。

 「河野氏は、母親たちにきちんと説明すべきだし、間違った政治判断で国益を損なったことを、国家と国民に謝罪すべきだ」

 これまでは、中国や韓国に理不尽な批判・要求を受けても、米国から「反撃することを封じられ、泣く泣く引き下がってきた」と聞きます。

 米国としては、「強い日本」が復活することを阻止する意図があったのでしょう。

 最近、米国は経済力低下に加え、元CIA職員のスノーデン容疑者がバラした盗聴問題や、シリア空爆の議会承認を得られなかったことなどで国際的影響力が落ちてきています。中国は経済力や軍事力を増大させており、東アジアのパワーバランスが崩れる危険性が出てきました。

 韓国の朴槿惠(パク・ウネ)大統領が常軌を逸した「反日」政策を続け、中国の属国入りするような姿勢まで見せているため、米国としては韓国の行きすぎた世論を沈静化させる必要が出てきたわけです。そこで、日本が慰安婦問題で反撃に出られるように「真実を主張する機会」を与え、真っ当な日韓関係へと誘導しようとしています。

 外務省は先月末、慰安婦問題をめぐって初めて韓国を批判する文書を作成し、在外公館に、日本の立場を各国の主要メディアや有識者、各自治体に伝える取り組みを強化するように指示しました。

 これは、断固、反撃すべきでしょう。国を挙げて。それほどに重要な話です。

2013年11月28日木曜日

弱者を狙い撃ちする現代の地震

 江戸時代に、大地震のときには富裕な商人が蓄えてきた金や米を庶民に「再配分」することが行われました。大地震だけではなく、江戸で繰り返された大火のときにも、この種の再配分のおかげで庶民が立ち直ったり、潤ったりしたといいます。

 例えば、慶応の大火(1866年)のときには日本橋近くの豪商の詳細な支出記録が残っています。それによれば、材木商は大工や左官にはじまって釘屋、石灰屋、砂利屋、縄屋、綿屋、桶屋など驚くほど多くの零細な職業に支払いが行われました。

 現代はすっかり違っています。瀬戸内海を見下ろす神戸大学の高台には慰霊碑が立っています。阪神淡路大震災(1995年)で犠牲になった同大の関係者の碑です。それによれば、学生の死者は39人、うち37人は下宿生でした。

 下宿生は古い木造家屋に住んでいることが多く、それゆえ午前6時少し前の大地震で、多くが犠牲になってしまったといいます。ちなみに、神戸大学では建物はひとつも倒壊しませんでしたから、もしこの地震が昼間だったら、これらの学生は命を落とさずにすんだことでしょう。

 東日本大地震(2011年)でも犠牲者を年代別に数えると、60代が19%、70代が23%、80代以上も23%でした。一方、50代は12%、40代は7%、30代は6%でした。高齢者の割合は人口割合よりもずっと多かったというデータです。

 次に首都圏を襲う大地震でも、費用のかかる耐震補強もおいそれとはできない庶民の「地震弱者」に、被害が特に多くなることが心配されています。

2013年11月27日水曜日

韓国司法の異常判決にやっと経団連などが決起

  日本の経済団体が、法治国家とは思えない異常判決を連発する韓国に対してやっとメッセージを発表しました。韓国で日本企業による戦時中の徴用に対する個人請求権訴訟が多発しており、このままでは良好な経済関係を損ねないからです。これに対し、韓国政府は早速、「このような行動がかえって両国の経済関係の発展を委縮させる」と反論してきました。

 経団連、日本商工会議所、経済同友会、日韓経済協会は116日、米倉弘昌経団連会長らトップの連名で、共同で良好な日韓経済関係の維持と発展を求めるメッセージを発表しました。

 1965年の日韓請求権協定で、韓国人が慰謝料などを求める権利が消滅したことを前提に「日韓経済の関係は順調に発展してきた」と指摘。戦時中の徴用工問題で日本企業への賠償命令が相次げば、「韓国への投資やビジネスを進める上で障害となりかねず、深く憂慮する」とし、早期の問題解決に向けて、両国が協力すべきだと結んでいます。

 朴槿恵(パク・ウネ)大統領ら「(日本を)100年恨む」と公言する韓国政府機関、『対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者ら支援委員会』の朴仁煥委員長は、「朝鮮人強制動員のおかげで大きな成長を遂げた加害者の戦犯企業らがそのような主張をするのは矛盾だ」と強く批判しています。

 「韓国側の推算では国内外の強制動員被害者を合わせると200万人と、膨大な人数に上る」と説明。

 国交正常化時の日韓請求権協定で既に解決済みの話を蒸し返して、「戦犯国家」「200万人」などと日本を批判し、金銭を要求する態度。現在の朴政権とは、まともな話し合いは期待できそうになさそうです。日本から莫大な損害賠償を受けて大発展を行なった韓国です。そして、韓国政府が、これらのひとにも分配すべきであったのに、分配していなかったためにこのようなことが起こっているのです。子供でもわかる理屈です。

2013年11月26日火曜日

脱デフレは困難

  消費税増税でもデフレから脱出できると、政府・日銀、御用学者やメディア主流派は言い続けています。財務官僚は「消費税増税すれば国債相場も株価も安定する」と言って、安倍晋三首相を説き伏せたそうです。

日銀も黒田東彦総裁が、増税した場合の景気悪化には「金融政策で対応できる」と約束しました。

財務省に近い有力エコノミストが10月初旬、米欧の市場関係者の多くから、「増税という緊縮財政によるデフレ懸念」を指摘されて、衝撃を受けていたそうです。

増税はただちに国内総生産(GDP)の6割を占める家計消費を冷やしますが、政府が検討する経済対策ではそのマイナス分を補えそうにない、という至極真っ当な見方です。

米国系通信社のブルームバーグは11月5日付で、日本国内のエコノミスト34人からの聞き取り調査をもとに「安倍政権の成長戦略に市場が失望感-日銀の物価目標実現の足かせにも」と報じました。

その論点は、アベノミクス「第3の矢」である成長戦略が極めて不十分で、特に規制緩和が小出しに終わっているという批判です。これでは、日銀が「異次元金融緩和」政策を続けても、脱デフレは困難、というわけです。

「規制緩和=成長戦略」という発想は、その恩恵にあずかる特定業種の企業の株価が上がるという、トレーダーが自己利益誘導のために行う「ポジション・トーク」と呼ばれるエゴイズムであって、経済全体の需給関係をよくすることで実現できる脱デフレとはおよそ無縁なものです。

15年デフレ」はすっかり慢性化し、市場はそれを前提に売り買いします。日本のデフレは1930年代の米国大恐慌時代よりもはるかに長いものです。当時、米国は第二次大戦という戦争景気で最終的にデフレから脱しましたが、今の日本にはそんな外部環境もありません。デフレ増税を避け、財政と金融政策の両面で、脱デフレ策を地道に積み上げていくしか、方法はありません。このことに早く気づくべきです。

2013年11月17日日曜日

丸紅が穀物メジャーを目指す

丸紅とガビロンの経営陣。朝田照男丸紅会長(右から3人目)と
岡田大介丸紅常務(1番左)。(写真提供=丸紅)
 丸紅は今年7月に米穀物大手のガビロンを買収しました。ガビロンの買収額は、2700億円で、丸紅にとっては過去最大のM&Aでしたが、中国当局は合併認可で厳しい条件を突きつけたといいます。大豆ビジネスに制限をつけました。しかし、丸紅はトウモロコシなどの他の穀物に商機を見出そうとしており、中国の制限を冷静に受け止めているようです。丸紅にとっては、まず総合商社5位から抜け出すことが、当面の目標です。

 中国政府も13億人の胃袋を満たすには丸紅の調達能力を無視できず、両者の利害が一致する関係に近づいて来ているようです。

2013年11月16日土曜日

自動ブレーキ車で衝突事故

  119日、安倍首相は、トヨタ、日産、ホンダが開発中の自動運転車で国会周辺を一周しました。そして、「さすが日本の技術は世界一」と大喜びでした。

ところが、翌日の1110日に埼玉県深谷市で行なわれたマツダの新車の試乗会で、「衝突回避システム」を組み込んだクルマがフェンスに衝突するという事故が起きました。

 マツダのスポーツタイプ多目的車「CX-R」に販売店の男性社員と男性客が乗って運転。約7メートル先のウレタンマットに向かって走らせ、自動ブレーキを体験させる予定でしたが、クルマは止まらず、マットにぶつかり、さらに前方のフェンスに衝突し、男性客は軽傷でしたが、社員は腕の骨を折る重傷を負ったといいます。

 たしか、この衝突回避システムは、CMでは富士重工が一番早かったように思います。その後、多くの自動車メーカーが搭載しましたが、車速があるスピード以下でないと、うまく止まらないような印象を受けていました。それにしても日本の技術はたいしたものだと思っていました。

しかし、1113日の日刊ゲンダイを見ますと、日本のこれらIT技術は、3年は遅れているようです。アメリカでは、自動車メーカーはこういった技術開発は行なわず、グーグルなどのIT企業が行なっているようです。GMやフォルクスワーゲンなどは、シリコンバレーでの研究を強化しているといいます。IBMも乗り出して来ています。スマホのようにグーグルやアップルの独占体制が自動運転でも起きないか、心配しています。

 

2013年11月15日金曜日

菅義偉官房長官が「ガラケー」を新調

  このほど、菅義偉官房長官が携帯電話を新調しましたが、「スマホ」ではなく、「ガラケー」にしたそうです。理由は、電池の持ち具合や機能を重視したようです。新しい「ガラケー」は、電話帳機能として、これまでの電話機の3倍を登録できるということがあるようです。菅氏にとっては、携帯は片時も手放せないようです。

 それにしても、外国製の「スマホ」でなく、国産の「ガラケー」を選んでくれたことは、まずは喜ばしいことです。

2013年11月14日木曜日

中国の新車販売、世界の1/4

 昨日のブログで、中国の車を電気自動車かハイブリッド車に変える様に書きましたら、1112日の日経新聞に中国の新車の販売が世界の1/4になって、2000万台を越えると出ていました。また、中国の自動車の保有台数は12年に12000万台を越えています。

 また、中国のガソリンは、硫黄分を多く含む粗悪なガソリンです。これが、走り、車が増えて交通渋滞を起こすと最悪です。中国は、これらにまったく手を打っていません。自動車メーカーにとっては、中国の新車台数が増えるのは、喜ばしいことでしょうが、今のまま粗悪なガソリンで走らせると、その悪い空気が、偏西風に乗って、日本に来ます。中国政府、中国人民に対して、身体を張った啓蒙活動が必要なのではないでしょうか。

2013年11月13日水曜日

北京の肺がん患者が6割増

  1110日の日経新聞によると、肺がん患者数が2011年時点で人口10万人当たり63.09人で、約10年前の02年度の39.56人から約6割増えたことが分ったと報じています。報道では、患者が増えた直接の理由には触れていませんが、喫煙、受動喫煙、大気汚染が原因であると専門家は説明しています。この大気汚染には、PM2.5の影響もあるものと思われます。

 わたしは、大気汚染には、いろいろあるでしょうが、車の影響が相当多いように思います。今度の国慶節で工場などは、工場の操業をストップしましたが、相変わらず空気は悪かったようです。北京オリンピックの時に乗用車の稼動を制約し、地方からの進入を制約しました。その結果は、あの青空でした。中国が、車の制限が出来ないとすれば、ハイブリッド車か、電気自動車にすべきでしょう、申請時に、これらの機種でなければ認めないとすれば、相当に変わります。

2013年11月12日火曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (9)

 「相談なしの発表」は朝鮮日報の李河遠次長が「オバマの韓国に対する欠礼」と主張する経緯の一部です。しかし、米国から見ると「朴槿恵の米国に対する裏切り」に他なりません。
 
 10月上旬、米国は必死で韓国に「日―米―韓」同盟の重要性を訴えていました。空母「ジョージ・ワシントン」を釜山港に送ったうえ、韓国の記者を載せて黄海にまで航海しました。

 黄海は北朝鮮が韓国にしばしばテロを仕掛ける現場であり、中国が内海化を狙う海でもあります。この海への空母の進入は、「米国は全力で韓国を守る」という意志表明です。
 
 さらに米国は韓国メディアの各社のシニア記者を日本に招待し、横田、横須賀、普天間の米軍基地を案内しました。日米同盟がいかに韓国の安全保障に寄与しているか、理解してもらおうと思ったのです。

 だが、それらは逆効果となるかもしれないといいます。二股外交を続ける韓国にとって、そうした米国の“低姿勢”は「二股」のチャンスがまだ残っているように錯覚しかねないからです。

 従来、北東アジアの情勢を読むポイントは韓国の対中接近でした。今後は、その韓国に対し米国がどう出るかが重要になってきました。中国との対決準備を急ぐ米国が、韓国の甘えをこれ以上、許すゆとりがなくなって来ています。

 米韓関係が悪化すれば、その影響は一部で改善が叫ばれる日韓関係の比ではありません。下手すれば、日本が大陸に直接に向き合う最前線になるかもしれません。韓国がそんな馬鹿とは思いませんが、東アジアが火種になる危険性もあります。韓国という国は、独り立ちできない国なのでしょうか。

 

2013年11月11日月曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (8)

マイケル・グリーン氏
 マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)先任副所長兼ジョージタウン大学教授は中央日報に「韓日関係、進展のシナリオがない」(1014日付)と寄稿しました。

 「韓国を刺激しないよう、せっかく米国が安倍政権を説得して日本を抑え込んだのに、韓国が反日強硬策を続けたのですべてがぶち壊しになった」という趣旨です。見出しも「韓国にはもう、匙を投げた」となっています。
 グリーン教授は「親日派」との批判を恐れてでしょうか、日韓関係に関し韓国紙に寄稿する時は、日本の肩を持つような記述を極力、避けてきたといいます。

 しかしこの記事は、韓国への不満をぶちまける珍しいものとなりました。ことに注目すべきは、韓国の米国に対する「軽侮」について言及したことです。

・米政府が東京に球を投げていた先週、米国と韓国との関係は軋みました。朴槿恵大統領が接見した席で、対日関係改善を求めたヘーゲル米国防長官に日本への不満を打ち明けましたが、これを青瓦台が101日に詳しく公開しました。これが米国に対する最初の一撃でした。

 米国にしてみれば、韓国をさらにしっかりと守るために「米日韓3国軍事協力体制」の強化を提案したら、朴槿恵大統領からきっぱりと拒否されたうえ、米国に断りもなく「米国の提案は断りましたからね」と拡声器を使って大声で発表してしまったということになります。

 拡声機が向けられた先はもちろん、米国の脅威の源泉たる北京です。中国は米日韓3国軍事協力を中国包囲網として警戒し、韓国に対しては加わらないよう指示していました。

2013年11月10日日曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (7)

 同じ韓国日報の105日付社説には、「米日の安保癒着に一言も言えない韓国政府」の結論はつぎのとおりだと書いています。
 
 ・今回を契機に政府は対中関係の座標を正確に描く必要がある。中国は我々の戦略的協力同伴者に格上げしている。経済的にも米国を凌駕する最大の交易国だ。米国の安保戦略と韓中関係が衝突しないように知恵を発揮することが急がれる。
 
 10月上旬にインドネシアとブルネイで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)と東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3、東アジア首脳会議(EAS)の各首脳会合で、中央日報の「まとめ記事」の見出しは「朴大統領、米・中間に『等距離』外交」でした。以下はその内容です。
 
 ・ケリー米国務長官と李克強・中国首相はASEAN首脳会議で舌戦を繰り広げた。その間で、韓国がどちらか一方に近づく姿勢を見せるのは難しい状況だ。

 もはや、米国との同盟国の新聞とは思えない書きっぷりです。この新聞だけの勇み足だろうかというと、そうでもないようです。

107日に中国の習近平国家主席と朴槿恵大統領が会談した際に「更上一層楼」という漢詩を引用しました。青瓦台(韓国大統領府)は「さらなる関係改善を求める意志を中国に表明したもの」と韓国メディアに説明しています。

 堂々(?)と二股外交を公言し、これに乗り出した韓国は、二股どころか中国の言いなりになる韓国に対し、米国も苦い顔を隠しません。

2013年11月9日土曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (6)

  米国批判を飛び越えて、米国が韓国の言うことを聞かないなら、中国と同盟を結ぼうという意見をいう人も出てきました。韓国日報のパク・イルクン北京特派員が107日に書いた「独島(竹島)と集団的自衛権」です。核心部分は以下のとおりです。

・米国では韓国より日本の方が重要だという韓国にとっては、“不都合な真実”が米日の「22」で改めて確認された。
・米日軍事同盟が次第に強化され、その中で日本が大きくなる場合、米国はもう1度、朝鮮半島を日本に任せて管理しようと考えうるとの憂慮も一部にはあるようです。そうなると、第2の「桂―タフト」密約になる。
・同盟は平等と相互尊重にある。日本にもっと大きな役割を期待する米国の価値と、反省しない日本を認めることができない我々の価値は同じものであり得ない。
・少なくとも日本の再武装に対しては、米国ではなく同じ被害者の中国と我々の価値がより近い。
・どんなに努力しても米日同盟をちゃんとしたものにできない米韓同盟なら、再考すべき時だ。中国をテコに活用し我々の国益を極大化すべきだというのが答えだと書いています。この記事だけでなく、「米国に捨てられたのだから、中国へ寄っても米国には怒られないだろう」という意見があちこちで散見されるようになったようです。これまではこっそりと、気付かれるように「離米従中」路線を走ってきたが、これからは隠さずに堂々と中国に擦り寄っていこうというノリのようです。

 

2013年11月8日金曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (5)

 最大手の新聞である朝鮮日報の有名な外交記者である李河遠(イ・ハウォン)政治部次長は1014日付で「朴大統領の『誤認」とオバマ大統領の『欠礼』」を書きました。要旨は以下のとおりです。 ・今年5月の韓米首脳会談で朴槿恵大統領とオバマ大統領は非常に親しげであり、その写真も公開されている。

・朴槿恵大統領は日本が誤った歴史認識を改めないのなら、米日の協力関係を見直すようオバマ大統領に求めてきた。
・しかし米国はこれに否定的であることが分かってきた。「オバマ大統領は日本ではなく韓国に付く」という朴槿恵政権の判断は今や、多くの専門家が錯覚に近いと見る。
・朴槿恵大統領がヘーゲル国防長官に(歴史認識など)日本の責任を訴えてからわずか3日後に、同長官は集団的自衛権(の行使容認への)支持を発表した。
・朴槿恵大統領が「面子をつぶされた」と感じるのは当然だ。オバマ大統領は同盟国の大統領を困惑させたことに関し、厳しい批判を受けねばならない。

 
  「欠礼」と罵倒されたオバマ大統領がこの記事を読んだら、相当に困惑するに違いありません。朴槿恵大統領がヘーゲル長官に訴えた「日本の責任論」は、外交慣例を破って韓国政府が勝手に発表したものです。そもそも、韓国が「欠礼」してこれを発表しなければ「朴槿恵大統領が面子をつぶされる」こともなかったわけです。まったく韓国のひとり相撲で、勝手に土俵から落ちていて、イチャモンをつけるという図です。
 
  また「日本が誤った歴史認識を改めないなら米国は日本との協力関係を見直すべきだ」と主張しているのは韓国に過ぎません。米国は、一度たりとも同意したことはありません。なぜ、韓国の言ったとおりにしないと、米国の大統領が罵倒されねばならないのでしょうか。「親しげな写真」を撮ったからというのなら、首脳会談の場にカメラマンも呼べません。

2013年11月7日木曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (4)

 韓国には、国民の情緒――喜怒哀楽を煽れてこそ有力メディアであるとの発想があるようです。したがって、正確な事実の伝達、報道は、先進国ほど重視されないといいます。
 なかには、米中両大国の力を背景にして、日本を叩いて外交的に快進撃を続ける我が国といった幻想を厳しく批判する韓国人もわずかながらいるようです。
 
 外交政策企画室長やシンガポール大使などを歴任した元・大物外交官の李長春(イ・チャンチュン)氏などは、「親中反日政策は韓米同盟の空洞化につながる」と警告しています。同氏は保守系サイトの趙甲済ドット・コムに「NATOも顔色を失う米日同盟の躍進」(1011日付)を寄稿し、こう訴えました。
・韓国は対中依存症で、おかしくなった精神状態で、「胡蝶の夢(荘子が夢で胡蝶になって楽しみ、自分と蝶との区別を忘れた)」をまどろんでいる。この幻から覚めねばならない。
・過去を持ち出し現実から目をそむけ、敵と味方を取り違えている韓国の「親中反日」こそは、在韓米軍撤収を議論の場に引き出しかねない。
・韓米同盟と米日同盟のうち、どちらが米国にとって重要か自問自答しつつ、誤った判断を避けねばならぬ。

 
 こうした冷静な議論は新聞やテレビなど既存のメディアではほとんど見られない。「反日」を楽しんでいる韓国人から、“おもちゃ”を取り上げるわけにはいかないようです。それに李長春氏のように、はっきりと「親米路線」を強調するのも世間受けしない。韓国人は中国が覇権を握る可能性が増していると信じて疑わないからです。
 
 むしろ既存のメディアでは、米中二股外交を展開しておきながら、「自分より日本を大事にするのか!」と米国に逆切れする空気も濃くなって来ているといいます。

2013年11月6日水曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (3)

朴槿恵韓国大統領
 「集団的自衛権の勧進元は米国だ」という指摘に対し、多くの韓国人が「細かな事実はさほど重要ではない」と考えています。韓国のメディアや政府は「日本の右傾化」を米国に訴えることで米日韓3国軍事体制から日本を排除できると考えたようです。もちろん、中国の顔色をうかがいながらですが。
 

 ただ、安倍首相は前回に首相を務めた時と比べ相当に柔軟で、韓国紙が期待するほどになかなか「右傾化」してくれません。そのために安倍首相が「731」という機体番号の自衛隊機に乗ったのは軍国主義復活の狼煙だ――といった、相当に無理筋の批判を展開するしかなかったようです。
 そんな時に集団的自衛権の問題が日本で浮上しました。韓国メディアは「再侵略を狙うアベ」の格好の証拠として飛びついたのです。韓国識者が、「事実は重要ではない」というのは、そうした事情が背景にあるためです。
 
 「我が国の米国への説得は成果をあげている」とメディアが報道し続けたのも、韓国社会特有の事情からでした。
 
 大国に翻弄されてきた、との思いが強い韓国人にしてみれば、「周辺大国をすべて操っているのは我が国」といったストーリーは極めて新鮮で、心躍るようです。人気を異常に気にする朴槿恵政権もそんな記事は大歓迎です。

2013年11月5日火曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (2)

  日米が対中軍事同盟、つまり対中包囲網を強化することで合意した以上、米国と同盟を結んでいる韓国の立ち位置は、明確なはずです。ところが、韓国は米国側に残るか、中国側に行くのか迷っているようです。もしくは、これをカードに出来ると考えたようです。
 
 すでに米国は自分が主導するMDに参加しろと韓国に踏み絵を突きつけています。一方で、日和見の韓国を見て、中国は「中国包囲網に参加したらただじゃおかないぞ」と脅し続けてきました。朴槿恵外交を根本から覆す、韓国にとってこそ「大事件」だったのです。
 
  もう1つ、韓国人にとってショックだったのは、「集団的自衛権の問題で、米国が韓国よりも日本を尊重した」ことだったようです。単に米国に裏切られたとの思いだけではないようです。中国に対して、「日米軍事同盟強化を阻止したいなら、仮想敵国のあなた(中国)よりも米国と同盟国の私(韓国)が米国を説得した方が効果的です」と中国を説いたと思われる韓国は、中国からも軽んじられることになりました。

  集団的自衛権に関わる韓国の議論にも、随所に独特の思い込みが見られるようです。ただ、誤解が元とはいえ韓国人がショックを受けたことは事実であり、それが米韓関係に尾を引いているようです。
 
  韓国メディアが、これまで報じてきた「世界像」は以下のようなものでした。

・オバマ大統領は極右の安倍晋三首相が大嫌いである。一方、朴槿恵大統領に対しては極めて親しい感情を抱いている。米国にとって、韓米同盟が米日同盟よりも重要になった。
・安倍晋三首相は右傾化を進めており、集団的自衛権の行使容認もその一環だ。
・韓国が中国をも背景に、日本の集団的自衛権の行使容認に反対している以上、米国が許すはずがない。朴槿恵外交の勝利だ。
 
  これに対する日本の識者の意見は次のとおりである。

・集団的自衛権の行使容認は、非公式な形とはいえ、そもそも米国が日本に要求したものである。ゆえに誰が反対しようが、米国がいずれ“認める”に決まっているではないか。
・米国がこれまで賛意を表しないのは、日本国内で合意ができあがるのを待っているからであって、韓国の反対が主因ではない。
・米国は中国と戦争するつもりはない。それだからこそ中国包囲網をしっかりと作る。それに必要な日米同盟の強化を、大統領の個人的関係ごときであきらめるはずがない。
・そもそも二股外交を展開する韓国を、米国が信頼するわけがない。

2013年11月4日月曜日

日米同盟強化で逆切れした韓国 (1)

 鈴置高史氏の記事からです。

 どうも韓国という国は、おかしな国のようです。米国が日本との軍事同盟を強化しました。すると、中国の意向も受けて反対していた韓国が「面子を潰された」と逆切れしました。一部の韓国紙は「米国が日本を大事にするのなら、中国と同盟を結ぼう」と書き始めたりしています。
 韓国が大騒ぎになったのは103日です。日本の集団的自衛権の行使に対し米国が賛成したうえ、多角的で厚みのある日米同盟の強化を打ち出したからです。それを鮮明にしたのが日米安全保障協議委員会(22)の共同声明でした。

 朝鮮日報はそれを4日付1面トップで「米国、日本の集団的自衛権の行使歓迎……緊密に協力」と報じました。さらに4日、5日と連日、社説で扱ったうえに、日米同盟強化に関し背景や影響など様々の角度からの特集を組みました。少し異常といえます。

 中央日報も5日付の1面トップで「日米蜜月、試される韓国外交」として解説したうえに、7日付の社説でも論じました。

 一方、日本の新聞は4日付で読売、毎日と産経が1面トップで報じましたが、ただし日経は14段、朝日が13段程度でそれほど大きな記事ではありませんでした。それと比べると、韓国メディアの異様に大きな扱いが目に付きました。韓国人は何をそんなに驚きあわてているのだろうか。
 

 中央日報の7日付社説「韓国は、経済に続き、外交でもサンドイッチ状態」と本音をのぞかせています。以下、内容です、

・米国が日本の軍事力強化をテコに中国牽制に乗り出した。
・韓国は経済で日中に挟まれてサンドイッチ状態になったのに続き、外交でも米日と中国の間に挟まれた。
・韓国はすでにミサイル防衛(MD)問題で、米中間でジレンマに陥っている。
・韓国の外交・安保の立地点が急速に狭くなっている。しかし、政府は適切な対応策が打ち出せていない。


 簡単に言えば、米中を両天秤にかけ、双方から利を引き出すという朴槿恵政権の二股外交が早くも破綻したということのようです。常識がある人なら、米中が対立の度を深めている中で、二股外交などうまくいくはずがないと考えるはずです。

 ところが韓国メディアは「米中双方と良好な関係を築いたうえ、両大国の力を背景に日本と北朝鮮に言うことをきかせる」という画期的な朴槿恵外交を称賛してきました。たしかに内政はうまくないが、外交はポイントを稼いでいると。けっこう多くの知識人が信じ込み、日本にやって来ては自慢していたと言います。

2013年11月3日日曜日

アベノミクスで巨額の富が消失

 “アベノミクスで日本の富の20%が消えた”。こんな衝撃的なレポートが話題を呼んでいます。クレディ・スイスが毎年発表している世界の富に関する報告書「グローバル・ウェルス・レポート」の2013年度版です。これによると、日本の富裕層はアベノミクスで激減しました。126月から今年6月までの1年間で、100万ドル(1億円)の純資産を持つミリオネアの数は130万人も減ったといいます。日本に次いで富裕層が減ったのはブラジルで、減少数は約12000人ですから、日本の減り方は異常と言えます。

 日本全体の資産で見ると、なんと58兆ドル(約580兆円)が失われたと書かれています。これは日本の富のおよそ20%にあたります。

 「今年上半期の貿易収支を見ると、約5兆円の赤字でした。過去最大の赤字幅です。円安の影響で、エネルギーなどの輸入コストが高騰しているためです。極端な円安によって、フローでみれば所得の移転、ストックで見れば評価損が起こっています。円安で輸出企業が儲かったといっても、為替のおかげで輸出額が増えたにすぎず、数量ペースでは増えていません。アベノミクスの異次元緩和と円安誘導によって、国民の富がどんどん海外に流出しているというわけです。円安は国力を失わせ、国民の富をいや応なく奪っていく」と経済アナリストの菊池英博氏が語っています。

 安倍首相が盛んにアピールするGDP成長率も、ドル換算すれば大幅マイナスというわけです。このあたりは、冷静に解き明かす必要があります。

2013年11月2日土曜日

日中対立から融和へ


中国の常振明CITICグループ会長(右)
と菅義偉官房長官(左)
  尖閣問題で緊張が続くなか、中国が凍て付いた日本との関係改善をさぐり始めたようです。中国を代表する企業のトップが訪日し、政財界の首脳と会いました。背景には経済を安定させるため、外資の力を取り込みたいという中国の事情があります。

「中国と日本のGDP(国内総生産)を合わせると米国に迫る。両国の経済交流は極めて重要だ」と、訪日団の代表を務める常振明氏は日本経済新聞の取材に答え、さらにこう語りました。「残念ながら、昔と比べて交流は少なくなっている」。

常氏は中国最大の複合企業グループ、中国中信集団(CITIC)の会長です。訪日団にはほかに政府系ファンドの中国投資(CIC)や大手建設機器メーカーの三一重工なども加わっていました。924日から5日間で、菅義偉官房長官や経団連の米倉弘昌会長らと会いました。

かれらは、日本の大手企業の旧知の幹部から「中国にいくときに身の危険を感じる」という話を聞き、ショックを受けたといいます。団長の常氏は1980年代に北京第二外国語学院で日本語を学び、日本の大手証券会社で債権発行の実務を研修した中国の経済界きっての「知日派」です。かれは、「中国は経済の安定を保ちながら、構造改革を進めることが必要になっている」といいます

80年に本格的に始めた1人っ子政策で、中国は労働人口の減少に直面しています。その結果、改革開放からずっと続いてきた高成長時代がついに幕を閉じました。いまは7%前後の安定成長にどう移れるかという道を模索しています。隣国と軍事的に衝突しかねない状態が続けば、ほかの国も中国に対しての投資に二の足を踏む懸念があります。

習近平党総書記は、「日本との関係がこのままではよくない」と指示したとみられるといいます。

日本を後にする前に常氏は周囲にこう語りました。「日本の歓迎は予想以上だった。だが、一回で問題を解決するのは無理。信頼を勝ち取るための努力を長い時間をかけて地道に続けるしかない」。

 11月は日本から、日中経済協会(会長・張富士夫トヨタ名誉会長)が約100人の訪中団を送ります。いかに衝突を避け、協力する道をさぐるか。“民間外交”がどこまで進むかに注目が集まりますが、11月は、中国で大事な会議―三中全会があります。この間に要人と会い、大事な話ができるか、多少、疑問が残ります。

2013年11月1日金曜日

中国良識派の提言

 
中国共産主義青年団(共産党の青年組織)の機関誌「中国青年報」が920日から3日連続で、呉建民・元駐仏大使の提言を中面トップで掲載しました。

 ここで、呉氏は、日本やシンガポールなどの協力に、「恩義を感じるべきだ」と強調しています。今の中国にあっては、勇気ある発言です。

 最終回は、「中国が直面する最大の挑戦は自分自身にある」との見出しで、「中華民族が最も恐れるべきは(指導者が業績を上げようと)頭がのぼせ上って起こす人災だ」と断定しています。今では、中国国内でとりあげられることはありませんが、毛沢東が1958年に始めた大躍進政策の悲惨な失敗を例にあげています。

 毛は中国を共産社会にしようと農民を人民公社に強制移住させた結果、農工業が破綻して数千万人といわれる餓死者を出しました。

呉氏は「発展こそ硬い道理」との鄧小平の言葉を繰り返し強調し、諸外国との協力を維持して経済発展の勢いを中断させないよう呼びかけています。

 また、「中国人は成熟しているか」と問いかけたジャーナリスト、邱震海氏の著書(7月発行)が国内メディアで広く紹介され、話題になっています。

 邱氏は、中国人の未成熟さが端的に表れている点として、

①共に救国を唱えながら、100年も内戦を続けた国民党と共産党の事例

②貧しい時は自分を卑下して西洋を仰ぎ見、富を得ると急に傲慢になって軍事に関心を強める

③文革という民族の過ちを反省しない

④議論を始めると相手を罵倒し合って冷静、理性的な議論ができない

などを指摘しました。今の中国で凄いことです。

 中国が19世紀後半からのドイツや、昭和初期からの日本の過ちを再現しかねないとの懸念がうかがえると閉じています。